五輪代表争いは次週決着 山下美夢有は全米女子プロでの逆転へ「頑張りたい」

山下美夢有は、来週米国で五輪代表決定前最後の試合を迎える(撮影:米山聡明)

<ニチレイレディス 最終日◇16日◇袖ヶ浦カンツリークラブ・新袖コース(千葉県)◇6584ヤード・パー72>

10位タイから出た山下美夢有は6バーディのボギーなしで「66」のラウンド。トータル10アンダー・5位タイで大会を終えた。

スタートから3連続バーディを奪うと、前半だけで4つスコアを伸ばした。後半は2つのパー3でバーディを奪い、一時は2連覇にも手が届きそうな勢いだった。「見ていました」とリーダーボードとのにらめっこも続いた。

最終的に優勝した岩井明愛に3打及ばなかったものの、ディフェンディチャンピオンの意地を見せた。ただ、「まあまあ」というリアクションだったショットには本来の切れ味が戻ってこないようで、“納得の”とはいかなかった。

現在、パリ五輪の代表争いの真っただ中。6月24日時点の世界ランキングを基にした五輪ランクで各国上位2人に出場権が与えられるが(世界ランキング15位以内に3人以上いる国は、最大4人まで出場権を得る)、山下は今大会終了時点で世界ランキング21位につけている。立場は日本勢4番手だが、2番手の世界19位・古江彩佳とは、わずかに0.09ポイント差だ。

代表争いが決着するのは次週行われる海外メジャー「KPMG全米女子プロゴルフ選手権」。そこに参戦する山下にとって、パリ切符獲得の大一番となる。今大会でもう少しショットの切れが戻ってきてほしかったというのが本音だろうが「(ショットは)良くなってきている。メジャーでしっかり成績を出したいので、頑張りたい」と祭典への意気込みは強い。米国にはきょう出発する予定で、試合が終わるとすぐさま荷物をまとめ、会場を飛び出した。(文・齊藤啓介)

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