現在のメッシとロナウドはどっちが上? 欧州を離れても二人のゴール数や収入はやっぱり凄かった!

クリスティアーノ・ロナウドが上か、はたまたリオネル・メッシが上か――。

サッカー界では何年にも渡り、そんな論議が交わされてきた。しかし、ロナウドがサウジアラビアに移籍し、メッシがマイアミに移った後は、こうした話を耳にする機会はなくなった。

では、今現在の両者の成績はどうなのだろうか?

まずは何よりもそのゴール数。2人は過去20年間で最も偉大なゴールマシーンだった。
ヨーロッパのトップレベルのリーグに別れを告げた今は、より簡単にゴールを決めれるはずだ。少なくとも理論上は――。

メッシは20年に及ぶそのプロキャリアにおいて、ここまで1062試合に出場して835ゴールを決めている。1試合平均に換算すると0.79ゴール。一方、プロキャリア22シーズンを終えたばかりのロナウドは、1225試合に出場して893ゴール。メッシより総ゴール数は多いが、1試合平均のゴール数は0.73とメッシより少ない。

直近のシーズンはどうか。サウジ・リーグが1シーズンを終えた一方でMLSはまだシーズン半ばのため単純な比較はできないが、インテル・マイアミに所属するメッシはMLSとCONCACAFチャンピンズカップを併せて公式戦15試合に出場して14ゴール(平均0.93ゴール)。一方、アル・ナスルでプレーするロナウドはサウジ・リーグと国内外のカップ戦を含む公式戦45試合に出場して44ゴールで、平均は0.98ゴールだ。ちなみにサウジ・リーグで34ゴールを挙げたロナウドは、リーグ得点王にも輝いた。つまりスペイン、イングランド、イタリア、サウジアラビアと異なる4つのリーグでトップスコアラーの栄冠を獲得したことになる。

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別の指標も見て行こう。多く稼いでいるのはどちらだろうか。フォーブス誌が先ごろ発表した最新の『世界アスリート長者番付』によると、昨年の総収入はそれぞれロナウドが2億6000万ドル、メッシが1億3500万ドルだった。ちなみにロナウドは、全スポーツ選手のトップだ。

両者はこれまでに35試合で直接対戦している。成績はメッシが16勝でロナウドが10勝。またこの35試合におけるゴール数は、メッシの21に対してロナウドは20。「直接対決」に限ればメッシに軍配が上がる。

サッカーの中心地を離れた両者だが、そのスキルと影響力はいまなお健在だ。メッシは36歳と11か月、ロナウドは39歳と3か月という年齢になったにもかかわらず。何より凄いのは、ともに現在も代表チームの主力としてプレーしている点だ。ロナウドはEURO2024を戦うポルトガル代表のメンバーに選ばれた。同大会に最も多く出場した選手は元スペイン代表GKのカシージャスで5回だったが、ロナウドは今回が6大会目。歴代最多出場記録の更新が濃厚だ。

一方、メッシも6月20日に開幕するコパ・アメリカのアルゼンチン代表メンバーに選出された。同大会の歴代最多出場試合数はメッシ、そして元チリ代表GKリビングストンが持つ34試合。メッシが1試合でもピッチに立てば、単独トップに躍り出る。

今なお新たな記録を更新しつづける二人に、改めて最大級の敬意を表したい。本当に尊敬すべき偉大なフットボーラーだ。

取材・文●リカルド・セティオン
翻訳●利根川晶子

【著者プロフィール】
リカルド・セティオン(Ricardo SETYON)/1963年8月29日生まれ、ブラジル・サンパウロ出身。ジャーナリストとし中東戦争やユーゴスラビア紛争などを現地取材した後、社会学としてサッカーを研究。スポーツジャーナリストに転身する。8か国語を操る語学力を駆使し、世界中を飛び回って現場を取材。多数のメディアで活躍する。FIFAの広報担当なども務め、ジーコやカフー、ドゥンガなどとの親交も厚い。現在はスポーツ運営学、心理学の教授として大学で教鞭も執っている。

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