味スタでリーグ4戦未勝利。磐田戦を外から見た荒木遼太郎が指摘した”課題”とは?【FC東京/コラム】

2024年6月16日、J1リーグ第18節、8位のFC東京が味の素スタジアムで16位のジュビロ磐田と対戦した。試合前の時点で、首位のFC町田ゼルビアとは勝点12差。全日程の半分をまだ消化していないので当然ながら逆転優勝の芽はあるし、その可能性を少しでも膨らむためにも勝ちたい一戦だった。

U-23日本代表の海外遠征から戻ってきた松木玖生と荒木遼太郎がいずれもベンチスタートとなったFC東京は、CFにディエゴ・オリヴェイラ、トップ下に仲川輝人を置く布陣(4-2-3-1システム)で臨んだ。コンパクトな陣形で立ち上がりからボールを保持して、攻め込むシーンも見られた。

シーズン開幕当初よりはチームの完成度は明らかに高まっている。4節のアビスパ福岡戦から高宇洋が起用されたことで中盤の安定感が高まり、さらに技巧派の仲川がCFやトップ下で機能したおかげでコンスタントにゴールを奪えるようになった点でそう感じたのだ。

ただ、今季のリーグ戦、FC東京はなぜか味の素スタジアムでの勝率が悪い。磐田戦も試合の流れを掴んでいるかと思いきや、21分にセットプレーからあっさりと被弾してしまった。

磐田戦の前半で気になったのは、組み立て、仕掛けの局面でサイドを重視していた点だ。そのため、中央部を固める相手の守備網をなかなか破れず、シュートまで持ち込む場面は少なかった。この日、FC東京の攻撃が上手くいっていないのは、42分にボールがサイドラインを割った際、そのボールをピッチ外で思い切り蹴り飛ばしたD・オリヴェイラ(普段は温厚で珍しい)の苛立ちからも窺い知れた。

事実、外から見ていた荒木も「前半はボールテンポが遅くて、中央突破があまりなかった」とチームの課題をそう指摘している。

俵積田晃太のドリブルがいくら凄くても、あれだけ警戒されて、シュートコースを限定されれば得点に繋がらない。47分のドリブルシュートも、俵積田が主導権を握っているように見えて磐田の守備が巧妙なように映った。

56分に荒木や松木を投入した後半途中からは前半よりも中央突破は増えた。セットプレーから追いついた84分以降は怒涛の攻撃も逆転弾は奪えず。結局は1-1のドローである。

味の素スタジアムでリーグ4戦未勝利の現実をファン・サポーターはどう受け止めているのだろうか。

取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

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