【中国】今後2年、デジタル化追い風・不動産足かせ[経済]

米投資ファンド大手コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)は、中国の今年と来年の国内総生産(GDP)成長率に関して、ともに4%台の成長率になるとの予測を示した。デジタル化が大きな追い風となるものの、不動産不況が引き続き足を引っ張ると見通した。

今年の成長率は4.7%になると予測。分野別の成長率への寄与度については、「デジタル化」が3.3ポイント、電動車産業や再生可能エネルギー産業の成長を含む「グリーン化」が1.7ポイント、「飲食・娯楽・卸売り」が0.4ポイント、「その他」が0.7ポイントとなり、一方で「不動産・傷跡効果」がマイナス1.4ポイントになると見通した。

傷跡効果は大きな不況がその後長きにわたって及ぼす影響のことで、中国の現在の傷跡効果は新型コロナウイルス流行を機にした景気低迷のこと。KKRは、消費者マインドの悪化を傷跡効果の一つに挙げている。

来年の成長率は4.5%と予測した。寄与度は「デジタル化」が2.8ポイント、「グリーン化」が1.3ポイント、「飲食・娯楽・卸売り」が0.6ポイント、「その他」が0.5ポイント、「不動産・傷跡効果」がマイナス0.7ポイントになるとみている。

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