ニホンライチョウ、4個が有精卵 富山市ファミリーパーク 全国初、野生から人工授精

ライチョウの卵と検卵機を持つ職員(富山市ファミリーパーク提供)

 富山市ファミリーパークは16日、国の特別天然記念物に指定されている絶滅危惧種「ニホンライチョウ」で、全国で初めて実施した野生の精液による人工授精で産卵された12個のうち4個が有精卵だったと発表した。ふ化すれば、保護増殖事業の進展につながる。

 同パークは15日、卵12個について、暗い部屋で光を当てて卵の中の状況を調べる「検卵」を行い、4個で受精卵が細胞分裂を繰り返して成長する「発生」を確認した。4個は引き続き人工ふ化を続け、21日に再度検卵を行う。順調にいけば26日以降にふ化するとみられる。

  ●新たに9個産卵

 このほか、雌4羽が6~15日に計9個を新たに産卵した。9個については17日にふ卵器に入れる。

 ファミリーパークで行う人工授精は北アルプス乗鞍岳の雄3羽から採精し、飼育する雌5羽に注入した。担当者は「ふ化できるように、進めていきたい」と話した。

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