これぞ“ニッポンのMAX” フルチタンの打感がチョベリグ プロギア「RS MAX」

RSシリーズに新たに加わった「RS MAXドライバー」(撮影/有原裕晶)

プロギアから、7代目となる新しいドライバー「RSシリーズ」が登場(7月12日発売)。2機種だった前作から「MAX」が追加され3機種展開になり、モデル名も「RS Xシリーズ」と一新。今回は追加ラインアップの「RS MAX ドライバー」を試打する。飛距離性能、弾道、特徴をアスリートゴルファーのコウタロウ(HS50m/s)とベテランゴルファーのシオさん(HS40m/s)がチェック。詳しい性能はギア知識が豊富なミタさんが解説した。

スリーブが進化 「4つ穴」で高初速エリアが20%アップ!

前作より最薄エリアの肉厚を約0.4mm薄く設計し、センターがさらに大きくたわむ(前作比12%薄肉化)(撮影/有原裕晶)

【ミタさん】
プロギアからついに「MAX」が登場しました。

【コウタロウ】
最近、「MAX」モデルのドライバー多すぎませんか(笑)

【シオさん】
どのメーカーも慣性モーメントの大きいヘッドを開発する方向性になっていますからね。

【ミタさん】
ただの「MAX」じゃないですよ。やっぱりプロギアは尖っていますよ。

【ヨシダくん】
形状も武骨というか、海外メーカーのMAX系とはちょっと違いますね。

シリーズの中ではいちばんシャローな形状だが、投影面積は大きさを感じさせない(撮影/有原裕晶)

【ミタさん】
極端に投影面積が大きなカオにはしていません。それと、カーボン素材を使わずにフルチタンで慣性モーメントを最大にしています。

【コウタロウ】
フルチタン、良いですね。僕は大好き。あと日本人好みの「カオ」も好き。

【ミタさん】
それと今回注目してほしいのはカチャカチャ部分。ヘッドを取り外すとスリーブに4つの穴が空いています。

【コウタロウ】
何、この穴? 普通は1つですよね。

スリーブのネジ穴が今作から4つに変更された。

【ミタさん】
プロギアの調整機能は独特です。カチャカチャ部分はフェースのヒール側に近いところにあるので、穴が一つだとヒール側のたわみを妨げてしまうことがあります。それを解消するためにプロギアでは以前から穴を2つにして、シャフトの軸線とネジの部分をズラした「軸ズレ構造」を採用していました。

【コウタロウ】
少しでもフェースとカチャカチャの距離を離しているってことですね。

【シオさん】
前作まで2つだった穴を4つにすることで、何が変わったのですか?

【ミタさん】
調整の幅が広がりました。今まではロフトを1度マイナスにできるだけだったのですが、今作ではロフトを-0.75度~+0.75度に調整できて、ライ角を+1.5度にすることが可能になりました。

「TOUR AD FOR PRGR」、「TENSEI FOR PRGR」、「Diamana FOR PRGR」と3種の純正シャフトから、メーカー特注で選ぶことができる(アップチャージなし)(撮影/有原裕晶)

【コウタロウ】
純粋に可変の幅が増えただけですかね?

【ミタさん】
単にロフトやライ角を調整する機能だけではありません。プロギア調べによると他メーカーの可変構造ドライバーと比較して新高初速エリアが約20%も広くなったそうです。

【コウタロウ】
それは楽しみ。打ってみましょう。

フルチタンの打感は最高!昭和世代には懐かしい

久々となるフルチタンヘッドの感触に興奮気味のコウタロウ(撮影/服部謙二郎)

【コウタロウ】
今回、僕から打たせてもらいましたが、打感は控えめに言っても最高!2000年代くらいのフルチタンのドライバーを打っているような懐かしい感じで、やっぱりカーボン素材が入っているドライバーは違います。

【ミタさん】
ボールスピードもいきなり70m/s オーバーが出ました。スピン量も2500回転前後で非常にいい数字。

【コウタロウ】
この打感で、この性能を出せるとは…。ちょっと感動しましたね。やっぱり日本のメーカーはすごい。僕はジュニア時代からゴルフをやっていますけど、“昭和ゴルファー”は確実にハマるドライバーだと思いました。

【ミタさん】
昭和世代のシオさんはどうでしたか?

【シオさん】
確かに打感はチョベリグでした。オジさん扱いされたので、昭和ワードでね(笑)。でも、僕みたいな50、60代のベテランゴルファーは絶対に好きだと思います。打感だけではなくて、振りやすさもちょうど良かった。海外メーカーの「MAX」とはちょっと違い、どちらかというと「スタンダード」に近い。つまり「Qi10 MAX」でなくて、「Qi10」みたいな。

シオさんは10.5度でテスト。ボールが上がりにくいゴルファーはロフト調整するとよさそう(撮影/服部謙二郎)

【ミタさん】
なるほど。弾道は少し低かったですか?

【シオさん】
ヨシダくんは理想的なデータが出ていましたが、私は超ロースピンヒッターなので、球が上がりきらなかったです。

【コウタロウ】
でも上手く芯をとらえたときの最大飛距離はスゴかったですね。

シオさんは10.5度、コウタロウは9.5度での平均データ。MAXモデルでも吹け上がるようなフライトは見られなかった

【ミタさん】
今日イチのショットで240ヤードを超えたのがありましたね。プロギアは昔から重心とたわみ点を揃えるテクノロジーにこだわっていて、「RS X」シリーズではフェースのセンターに重心点、たわみ点、最大CT点を精密に一致させたことで最高初速をルール限界まで高めています。

【コウタロウ】
そこに当たったら飛ぶってことですね。

【ミタさん】
「RS MAX」はフルチタンの高慣性モーメントドライバー。つなぎ目のないシームレス構造になっているので打感が良く、心地よい弾き感が魅力。性能面でも左右方向の慣性モーメントは5300g・cm2あるので寛容性もありつつ、コントロールできる感覚も残しています。シリーズとしてはアスリート向けのモデルになるので、ヘッドスピード42m/s以上のゴルファーと相性が良いでしょう。

【コウタロウ】
月例競技などに出場している50代アスリートは打感と飛距離に感動すると思います。

まとめ

操作性よりも直進性の評価が高かったが、全体的に好印象な結果となった

■ 試打したクラブのスペック

左のシャフトはコウタロウが使用した「TOUR AD FOR PRGR」、右はシオさんが使用した「TENSEI FOR PRGR」

プロギア RS MAX

シオさん
●ロフト角:10.5度●シャフト:TENSEI FOR PRGR●硬さ:S(M-43)

コウタロウ
●ロフト角:9.5度●シャフト:TOUR AD FOR PRGR●硬さ:S(M-43)

■ マイクラブ情報

シオさん:ピン G430 SFT ドライバー
●ロフト角:10.5度 ●シャフト:NSプロ レジオ フォーミュラ MB+ 55 ●硬さ:S

コウタロウ:ヤマハ RMX VD/X ドライバー
●ロフト角:9.5度 ●シャフト:VENTUS TR RED(ベンタス ティーアール レッド) 6 ●硬さ:X

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