ECB、仏国債の臨時購入を検討せず=政策筋

Balazs Koranyi Frank Siebelt

[フランクフルト 16日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)の政策責任者5人はロイターに対し、フランス国債の下落を食い止めるためにECBとして臨時の国債購入を検討する計画は無いと述べた。

急きょ実施が決まったフランス総選挙で、極右の国民連合(RN)が勝利する可能性が懸念され、フランス国債はこの1週間で急落した。

5人は、ECBは臨時の国債購入について協議しておらず、これから協議する計画も無いと説明した。ただ、フランス国債の激しい売られ方には懸念を示した。

フランス国債のドイツ国債に対する利回り上乗せ幅(プレミアム)は2011年のユーロ圏債務危機以来で最大となっている。

5人は、経済政策に関して投資家を安心させるのはフランスの政治家の役目だ、との考えで一致。うち2人は、フランスの次期政権が樹立して財政計画が発表されるまで、ECBは介入すべきではないとも示唆した。

ECBの報道官はコメントを控えた。

ECBの「伝達保護措置(TPI)」という仕組みでは、市場の圧力にさらされた国の国債を無制限に購入することが可能。ただ、その国が欧州連合(EU)の財政ルールなど、複数の条件を順守することが条件となっている。

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