「審判に当たって方向が変わり...」名古屋MF稲垣祥が湘南戦の失点シーンを回想「事実として伝えておきます」

6月16日、名古屋グランパスはJ1第18節で湘南ベルマーレとホームで対戦し、1-1で引き分けた。

前半は優位に立ち、33分に永井謙佑のゴールで先制した名古屋だったが、60分に不運な形で失点を喫する。相手GKのパントキックが主審の山下良美氏に当たってコースが変わり、稲垣祥がコントロールミス。そのこぼれ球を拾われた流れから、アウェーチームに同点弾を献上してしまった。

失点直後に、名古屋の選手たちは主審に猛抗議。本来、主審にボールが当たった際にはドロップボールから試合が再開されるパターンが多い。しかし判定は覆らず、1-1でリスタートの笛が鳴った。

稲垣は試合後、当該シーンを次のように振り返った。

「判定については、僕はどうこう言えません。ただ、僕が感じたことを言うと、審判に当たって方向が変わり、僕の反応の逆になったというのがあった。これは事実として伝えておきます」

【動画】主審に当たってコースが変わり...名古屋が猛抗議した60分のシーン
結果的には、ボールの保有チームが変わっていないため、ドロップボールからの再開にならなかった判定は正しいのかもしれない。ただ、主審の関与が稲垣のプレーに影響を及ぼしたのは間違いない。

ある意味、アンラッキーな形で失点し、勝点1に留まった名古屋。ただ、稲垣はチームの戦いにはまだ改善の余地があると考える。

「同点になったあと、点を取りに行くためにサイドからこじ開けていくことや、変わった選手を効果的に使っていくことを意識していました。と同時に、自分たちで隙を作って、あわや逆転という場面もいくつかあった。そういった隙を消していかないと、良いチームにはなれません。

選手個々にそれぞれ違った特徴があって、チームのコンセプトもあります。そのふたつをしっかりと両立して表現できるようにならないといけない。簡単ではないけど、変わった選手の良さを出しつつ、チームとしての連動性も失わない、というのができなければ、今日のような試合をモノにできません」

あくまで自分たちに矢印を向ける稲垣。経験豊富な32歳が、上位進出を期すチームをピッチ内外で牽引してくれるはずだ。

構成●サッカーダイジェスト編集部

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