筋トレでフレイル予防 福島県楢葉町と福島医大連携 健康教室始まる

健康づくりへトレーニングに励む参加者

 加齢に伴う心と体の虚弱(フレイル)の予防や改善に向けた健康教室が、福島県楢葉町で始まった。町と福島医大放射線健康管理学講座の連携事業。8月までトレーニング法を町民に指導し、運動の習慣化を目指す。県民健康調査の結果、生活習慣病の予防や改善が課題と分析され、町が医大に協力を求めて企画した。

 8月まで全8回実施する。町の主催で講座の医学療法士らが講師を務めてトレーニングを指導する。初日は70~80代の町民約30人が参加してかかと上げや片足立ちなど全身を鍛え、使える筋肉を増やす10種のトレーニングを行った。

 県民健康調査の結果を地域に還元する取り組みとして実施している。調査では生活習慣病の傾向が増加していたほか、東京電力福島第1原発事故に伴う避難と帰還から時間が経過し、居住者の体力低下の状況が見受けられた。調査アンケートで転倒した経験があると回答した人を対象に1~3月にトレーニングを実施。対象を拡大し、希望者を募って教室を開いた。

 持続的な運動習慣のきっかけを目指し、自宅で実践できる手法を伝えているほか、交流の場として参加者がペアで取り組んでいる。今後は体力測定も行い、教室を通じた改善状況を確認する。

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