1mのパットミス2回で10年ぶりメジャーVならず マキロイは無言でコース去る

ロリー・マキロイの10年ぶりのメジャー制覇は7月全英オープンに持ち越された(撮影/村上航)

◇メジャー第3戦◇全米オープン 最終日(16日)◇パインハーストリゾート&CC パインハースト No.2(ノースカロライナ州)◇7548ヤード(パー70)

ロリー・マキロイ(北アイルランド)にとって、メジャー5勝目はどれだけ遠いものなのか。最終18番、1mのスライスラインは読みよりもさらに右に切れた。第1打を左のネイティブエリアに突っ込みながら、なんとかパーセーブにこぎつけたと思ったところで…。後ろの組のブライソン・デシャンボーにタイトルを譲った。

2014年「全米プロ」以来のメジャータイトルが届きそうで届かない。その後、PGAツアーの平場の試合では17回優勝している。今季はDPワールドツアー(欧州男子ツアー)1勝を含む3勝。首位と3打差の2位からデシャンボーを追ったこの日は、9番から13番までの5ホールで4バーディを奪い、通算8アンダーにスコアを伸ばして単独首位に立った。

あと一歩だったが…(撮影/村上航)

悲願の瞬間が近づいたところでまさかの失速。15番(パー3)、第1打をグリーン奥にこぼしたのをきっかけにボギー、16番では1mのパーパットをカップ左に外して、自らリードを失い逆転負けにつながった。通算5アンダーで2年連続の2位。全米オープンでは2019年以降の6大会で一度もトップ10を外していない。

マキロイは敗戦後、無言でコースを去った。メジャー2勝目を飾ったデシャンボーは優勝会見で「僕は少しだけラッキーだった。ロリーは2つ短いパットを外したのに対し、僕は最後に寄せワンを決められた。なんて言ったらいいのか…」と言葉を濁す。

大歓声を浴びて18番グリーンを下りた(撮影/村上航)

「ロリーは歴代最高の選手の一人。戦えたことは特別だ。誰であっても、ああいうミスパットを僕は望まない。彼の闘志は燃え上がるはず。本当に強い気持ちを持った選手なんだ」と再起を確信していた。(ノースカロライナ州パインハースト/桂川洋一)

© 株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン