プーチン氏、19日からベトナム訪問 武器や決済など協議=関係筋

Francesco Guarascio Khanh Vu

[ハノイ 17日 ロイター] - ロシアのプーチン大統領が19─20日にベトナムを訪問すると複数の政府関係者が明らかにした。トー・ラム国家主席ら首脳と会談する見込み。

今回の訪問が対米関係に与える影響について、ハノイの米大使館報道官はロイターに「どの国もプーチンが侵略戦争を推進するための場を提供したり、残虐行為を常態化することを許してはならない」と述べた。

プーチン氏が国境を越えて自由に移動できるようになれば、ウクライナ侵攻という露骨な国際法違反が常態化することになりかねないと指摘した。

国際刑事裁判所(ICC)は2023年3月、ウクライナでの戦争犯罪容疑でプーチン氏に逮捕状を出した。ベトナムはICCに加盟していない。

ベトナムには過去数カ月間にバイデン米大統領と中国の習近平国家主席も訪問している。シンガポールのシンクタンク、ISEASユソフ・イシャク研究所のシニアフェロー、イアン・ストーリー氏はプーチン氏の訪問について、ベトナムが特定の大国を優遇しないバランスの取れた外交政策を追求していることを示すものだと述べた。

<エネルギー、武器、技術>

プーチン氏のベトナム訪問は17年以来5回目となる。同氏は貿易、投資、技術、教育などの分野での合意について発表する見込みだが、変更される可能性もあると2人の当局者がロイターに明らかにした。

しかし、より微妙な問題に焦点が当てられる公算が大きいとも述べた。当局者の1人は武器やエネルギー、決済などが議題に含まれるとの見通しを示した。

豪国防大学のベトナム安全保障の専門家カール・セイヤー氏は、「主な問題は武器売却を含む経済・商業関係の強化に関するものだ」と述べた。

プーチン氏とベトナムの指導者は銀行システムを通じた両国の通貨による決済を実現し、商品・サービスの決済を可能にすることで合意する可能性が高いと予想した。

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