「正常な精神作用残っていた」金属バットで知人殴り殺害の罪で懲役9年求刑 不起訴から一転、起訴の男に=静岡地検沼津支部

2021年、静岡県富士市で金属バットで知人を複数回殴り殺害した罪に問われている男について、検察は2024年6月17日、懲役9年を求刑しました。

殺人の罪に問われているのは事件当時、富士市に住んでいた無職の男(40)です。
起訴状などによりますと、男は2021年5月、富士市の男の自宅で、知人男性(当時37)の頭などを金属バットで複数回殴り、殺害した罪に問われています。

裁判では、被告の男の責任能力をめぐって、善悪の判断が全くできない「心神喪失」の状態だったか、善悪の判断をする能力が残っている「心神耗弱」の状態だったかが争点となっていました。

17日、静岡地方裁判所沼津支部で行なわれた公判で、検察側は「犯行は被告人の反社会的性格によるもので正常な精神作用が残っていたことは明らか」などとして懲役9年を求刑しました。

「心神喪失」を主張する弁護側は「事件当時、被告人は幻覚、幻聴、妄想に支配されていた」などとして無罪を求めました。

最後に被告の男は、「被害者のご冥福と、ご遺族へのお悔やみを申し上げます」と述べました。

この事件をめぐっては、被告の男の鑑定留置の結果、地検沼津支部が殺人容疑を不起訴処分としていましたが、その後、検察審査会が「不起訴不当」と議決しました
これを受け、地検沼津支部は一転して「責任能力が認められて刑事責任を問える」と判断し、2023年6月、殺人の罪で起訴していました。

判決は6月25日に言い渡されます。

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