西武・甲斐野央「レベルアップして帰りたい」 7月中旬の実戦復帰を視野 4月下旬に右肘の違和感で登録抹消

16日にファンサービスをする西武・甲斐野央

西武の甲斐野央投手(27)が、7月中旬の実戦復帰プランを明かした。右肘のコンディション不良で4月24日に出場選手登録を外れてファームで調整。6月16日に埼玉県所沢市の球団施設で約1カ月ぶりにマウンドで捕手を立たせて投球練習を行った右腕は「早く1軍で投げたいけど、こらえるところはこらえて。我慢して無理せずにやりたい」と話した。

人的補償で加入した今季は開幕から勝利の方程式の一角として主に8回に登板し、8試合で1敗5ホールド、防御率5・63。4月下旬の登録抹消後は5月14日のイースタン・ロッテ戦で実戦復帰。17日の巨人戦では1回1安打無失点に抑えたものの最速148キロと球速が上がらなかった。

「患部に痛みがあったので、もう一回つくりなおした。やっとまたブルペンまで来ているので、次は失敗したくない」と再発防止のため、慎重な調整を続けてきた。リハビリでは「レベルアップして(1軍に)帰りたい。成長できるよう、根本から見つめ直している」と栄養管理や睡眠といったコンディション面を中心に改善点を模索した。

その一環として、陸上ハードル元日本代表の秋本真吾スプリントコーチから力を効率よく伝えられる走り方を学んだ。「今まで走り方をそんなに意識したことはなかったけど、走るって全身運動なので速くなると体の使い方がうまくなる。奥深く、楽しい」と投球動作にもつながるトレーニングとして力を入れている。

右肘の回復が順調に進めば、7月上旬にライブBP(実戦形式の打撃練習)で登板予定。その後ファームでの実戦に移行する。1軍復帰は少なくとも球宴明けになりそうだが「パワーアップするのが目標なので、落ち込まない」。ソフトバンク時代にも右肘の手術を乗り越えた男が、持ち前の前向きな性格で再び苦難を克服する。
(末継智章)

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