阪神 今秋ドラフトは内野手獲り 青学大・佐々木&九産大・浦田 大学選手権で評価急上昇 明大・宗山含め徹底マーク

 青学大・佐々木泰(左)と九産大・浦田俊輔

 阪神が今秋のドラフト会議で即戦力内野手の獲得を検討していることが17日、分かった。16日に閉幕した全日本大学野球選手権ではドラフト1位候補の明大・宗山が不在の中、青学大の佐々木泰内野手(4年・県岐阜商)と九産大の浦田俊輔内野手(4年・海星)がスカウトの評価を上げた。佐々木は大会MVPに輝いた強打の三塁手。遊撃手の浦田は走攻守を兼ね備え、スピード感あふれるプレーが持ち味だ。約4カ月後の本番へ向けて、徹底マークを続けていく。

 虎が即戦力内野手に熱視線を送っている。青学大の2連覇で幕を閉じた全日本大学野球選手権。スカウト陣の評価を再び上げたのは青学大の三塁手・佐々木だ。初戦・福井工大戦でとどめの2ランを放ってチームを7回コールド勝ちに導くと、準決勝の天理大戦では先制3ランを含む4安打6打点の大暴れ。打率・333、8打点、2本塁打で大会MVPに輝いた。

 佐々木は高3夏の甲子園交流試合で本塁打を放つなど、高校通算41本塁打を記録した右のスラッガー。青学大でも1年春から三塁のレギュラーに定着し、ベストナインを獲得。東都リーグでも現役最多12本塁打を誇る。今春のリーグ戦は不調に陥ったが、大舞台で勝負強さを発揮。吉野スカウトは初戦を視察した際に「優勝を決める本塁打であったり今日も本塁打が出たり、魅力はある」と高評価を口にしていた。

 九産大の遊撃手・浦田もネット裏の視線をさらった。身長170センチ、体重70キロと小柄ながら、初戦の福岡大戦では3安打をマーク。50メートル走5秒8の快足で二盗も決め、遊撃守備も軽快。「本塁打も打てる」と近本を目標に掲げており、三拍子そろったプレーが持ち味だ。

 虎は近年、高寺(20年度ドラフト7位)、戸井(22年度5位)、山田(23年度3位)、百崎(同4位)と高卒内野手の獲得を進めてきた。即戦力内野手の指名は20年度1位の佐藤輝(近大)と同6位の中野(三菱自動車岡崎)を最後に遠ざかっている。チームには各ポジションとも高卒、大卒、社会人を含めて年齢面のバランスを重視する方針があり、今秋、即戦力内野手の指名に踏み切る可能性は十分ある。

 現在のチーム状況を見ても、三塁と遊撃は補強ポイントと言えそうだ。昨季から三塁にコンバートされた佐藤輝は今季、打撃の調子が上がらず。守備でも精彩を欠き、2軍に降格した時期もあった。遊撃もレギュラーの木浪が15日・ソフトバンク戦で死球により、左肩甲骨を骨折。代役と期待される高卒6年目の23歳・小幡も課題の打撃は伸び悩んでいる。即戦力の加入となれば、さらなる競争激化が期待できる。

 運命の1日まで約4カ月。ドラフト1位候補の明大・宗山の動向をにらみつつ、同世代の成長株も追いかけていく。

 ◆佐々木泰(ささき・たい)2002年12月24日生まれ、21歳。岐阜県大垣市出身。右投げ右打ち。内野手。178センチ、82キロ。小野小1年から小野野球少年団で野球を始め、東中では岐阜ボーイズに所属。県岐阜商では1年春から4番を務め、高校通算41本塁打。青学大では1年春からリーグ戦デビューすると4本塁打を放つなどし三塁でベストナインを獲得。50メートル走6秒1、遠投100メートル。

 ◆浦田俊輔(うらた・しゅんすけ)2002年8月30日生まれ、21歳。長崎県出身。右投げ左打ち。内野手。170センチ、70キロ。小学1年から大村クラブで野球を始め、春日野中では軟式野球部、長崎海星シニアでプレー。海星高では1年夏からベンチ入りし、2年夏に甲子園出場。九産大では1年春からベンチ入り。6月の侍ジャパン大学代表候補合宿のメンバーに選ばれるも、コンディション不良で参加辞退。

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