「とても強いハングリー精神」パリ五輪決定の日本男子バレーに地元メディア熱視線! ”過熱人気”危惧も、石川祐希のフィリピン愛に好感【ネーションズリーグ】

異国の地でも、高い関心が注がれている。

男子バレーボールのネーションズリーグ(VNL)予選ラウンド第3週は現地6月18日から、フィリピン・マニラを舞台に熱戦の火蓋が切られる。前週の福岡大会を戦い終えた日本代表(世界ランク3位)は、カナダ代表(同9位)と初戦で激突する。すでに両国ともパリ切符を掴んでおり、五輪本大会に向けた重要な試金石の一戦となる。

大会通算6勝2敗と好調をキープしたまま、予選ラウンド最終戦の地に乗り込んだ日本。パリ五輪の前哨戦に位置付けているチームにとって、今大会は代表生き残りをかけた選考サバイバルの場でもある。補欠を含めた18人から、オリンピックの代表登録メンバーを12人に絞るため目の前の相手を倒すことはもちろん、代表入りへ実力をアピールすることも重要である。
現地17日にはフィリップ・ブラン監督とキャプテンを務める石川祐希が前日会見に出席し、今ラウンドの意気込みを語った。

昨年のVNL予選・第3週の開催地であったフィリピンは、日本代表に対しての熱狂ぶりが大きな話題となった。石川や高橋藍ら人気選手をはじめ、他の選手をひと目見ようと女性ファンが殺到し、通路を通る彼らに向けて黄色い声援や無数のスマートフォンが向けられるほど、日本国内と変わらない異常な過熱ぶりに海外メディアが驚愕するほど、日本チームへの期待と人気は非常に高い。

それを裏付けるかのように、地元メディアは日本男子バレーに熱い視線を注いでいる。フィリピン国内の政治経済やスポーツなど、あらゆる分野のニュースを日夜発信しているポータルメディア『Inquirer.net』によると、前日会見に登壇した石川は「フィリピンのファンの前でプレーできることに興奮しています。またここに来ることができて、本当に嬉しいです。自分たちの最高のバレーボールを見せるためにベストを尽くし、皆さんの前でプレーするのが楽しみでなりません」と話し、マニラ大会の開幕が待ち遠しい様子だった。

日本の大黒柱は続けて、「この2年間プレーしてきて、僕たちはうまくいっていると思う。予選ラウンドの後、(VNL)決勝とオリンピックがあるので今週の試合はとても重要になる」とチームの雰囲気を伝えながら、五輪本番に向けて大切な4試合になると言葉に力を込めた。 指揮を執るブラン監督は「ここフィリピンでも、ファンの皆さんから日本チームに大きな期待が寄せられていることは承知しています。最高の観衆の前で、最高のバレーボールができるよう、ベストを尽くします」と多くの報道陣の前で誓った。

会見を取材したランス・アグカオイリ氏によると、「開催国のフランス、ドイツ、ブラジル、アメリカ、ポーランド、カナダとともにオリンピックの出場権をすでに獲得しているにもかかわらず、日本はとても強いハングリー精神に溢れている。フィリピンでも高い人気を誇る日本の男子バレーボールは主将のユウキ・イシカワを中心に野心に溢れた意気揚々としたチームだ」と評す。同氏は過熱気味の人気を危惧しつつも、高いモチベーションを持って臨む日本に大きな期待を寄せて記事を締めくくった。
福岡大会ではチケットが即日完売し、コート外でも応援グッズが飛ぶように売れるほど空前の人気を誇る日本男子バレーボール。その熱狂は異国の地でも、変わらぬ興奮を呼び起こしている。

構成●THE DIGEST編集部

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