【ソフトバンク】王球団会長が力説…リーグ戦再開は「開幕と思え」 柳田悠岐はリハビリ本格始動

ソフトバンク・王球団会長

パ・リーグ首位のソフトバンクはセ・リーグ勢との交流戦を12勝6敗の2位で終えた。17日までに62試合を消化して41勝19敗2分けで、2位の日本ハムとは8・5ゲーム差。交流戦では絶対的主砲・柳田悠岐外野手(35)が負傷離脱した中、緊急昇格した佐藤直や新人の広瀬、高卒4年目・笹川ら若鷹が躍動した。

代えの利かない大砲を失った苦境で、小久保監督がチームに求めた「底力」を発揮。勝利と若手の成長促進という好循環を継続して、独走態勢を築きつつある。

リーグ戦は21日から再開する。王貞治球団会長(84)はここまでのチームの戦いぶりを「全体的に良かった。他のチームよりも遅くなったけど、若手の(奮起で)新旧交代が来ている。いい手応えを感じられている」と高く評価。若い戦力の台頭で「ベテランも乗せられる」と、チーム内競争の活性化を何よりも喜んだ。12球団屈指の戦力を誇るホークス。いかに選手の競争意識をかき立て、ハイレベルな生存競争を生み出すかが積年のテーマだったが、ようやく理想の環境が整いつつある。

好循環が生まれることで、不振の中堅やベテランは生き残るために目の色を変え、故障離脱している主力も危機感を持って復活への道を歩む。全治約4か月の長期離脱を余儀なくされた柳田は、今週からファーム施設のある筑後などでリハビリを本格スタートさせる。右脇腹を痛めて4月に戦列を離れた牧原大の実戦復帰も近い。

開幕から順調に勝ち星を重ねる一方で、悲劇的な主力の有事にも見舞われた。だが、それももう過ぎたこと。王会長は前を向き力を込めてこう言った。「ゲーム差なんか関係ない。考えなくていい。21日(ロッテ戦=北九州)から開幕と思えばいい」。残り81試合、中盤戦の開幕に向けて気の緩みを断った。チーム内の置かれた立場それぞれに向けて、力強いメッセージが送られている。

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