なんじゃこれ!?  今季2勝目の岩井明愛の秘密兵器、3度フックフェースのドライバーとは?

『ヨネックス EZONE GT タイプS』(9度、レクシスカイザM 5S、45.5インチ、D0)を使用する岩井明愛

前週の「ニチレイレディス」で今季2勝目、ツアー通算5勝目を果たした岩井明愛。彼女のセッティングには興味深い工夫が隠されている。その詳細をレポートする。

圧倒的な飛距離を誇る彼女の使用ドライバーを見ると、カチャカチャの機能でヘッドは3度のフックフェースに設定されていた。一体どういうことだろうか? 岩井姉妹のクラブを扱うヨネックスのツアー担当に話を聞いた。

「左にフェースを向けた状態で構えていると思います。使用ヘッドは慣性モーメントが大きいので、右に飛び出しやすい。出球をコントロールしてストレートドローが打ちやすいのだと思います」

フェースが左を向いたままで違和感はないのだろうか?「クラウンとフェースのつなぎ目であるトップラインが自然に逃げている顔なので、違和感は少ないと思います。トゥ側とヒール側の逃がし方のバランスが『EZONE GT タイプS』は非常にいい。単純なストレートラインでフックフェースにすると、違和感があります。いい具合にフェースに丸みを持たせて、スクエアに見える工夫がなされていますね」。

『EZONE GT タイプS』はもう一つの兄弟モデル『タイプD』よりも球がつかまりすぎないヘッド。重心深度はやや深めだが、重心距離はやや長め&重心角は少なめのスペックで設計されている。フックフェースに設定するのも、それらが要因に挙げられるだろう。

顔や性能以外にも岩井姉妹がこのヘッドを好んで使うポイントがある。「明愛プロも千怜プロも、2人とも使用し始めた頃から『打音と打感がいい』と言っていました。やわらかい打感で、打音で弾く感覚があります。飛んでいる感覚があるんだと思います。打音はボコッという静かな音ではないです」。

ドライバーのシャフトは『レクシスカイザM 5S(45.5インチ・D0)』を使用。中調子シャフトで癖のないモデルという。「先調子シャフトを使うとヘッドが暴れすぎるのだと思います。明愛プロはなんでもショットでできちゃうタイプなので、中調子の癖がないシャフトがいいのでしょう。とにかくいいスイングを続けたい選手であり、振ればストレートドローが出るヘッドとシャフトの組み合わせがいいんだと思いますね」。

力強い相棒を手にして、岩井明愛が今季何勝まで積み上げるのか。プレーに注目していきたい。

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