ティショットの立て直しならず出遅れ 石川遼は“神の子”に圧倒され「これを18ホール続けるのか…」

セルヒオ・ガルシアと同組で回った石川遼は出遅れた(撮影:ALBA)

<全米オープン 初日◇13日◇パインハースト・リゾートNo.2(米ノースカロライナ州)◇7548ヤード・パー70>

フェアウェイキープ率は57%。石川遼はティショットが散り、そこからうまくスコアメイクをすることができなかった。1バーディ・5ボギー・1ダブルボギーの「76」で回り、6オーバーの滑り出し。8度目の全米は下位からのスタートとなってしまった。

4番ではフェアウェイから残り217ヤードのショットが、7メートルオーバーした。「思ったよりセカンドの飛距離が出てしまった。ピンまで届かないと思って打ったら、キャリーで奥にいった。誤算は誤算でした」。下りのパットを残したとはいえ、2パットで切り抜けられないほどではなかったが、3パットのボギー。5番パー5は同様に2.5メートルを外して、連続ボギーとした。

「流れ的には苦しくなった」と、このあたりからフェアウェイを捉えていたティショットが乱れ始める。両サイドのネイティブエリアに打ち込むことが多くなり、「視覚からくる情報が難しい要素がいっぱいあるコース。ただ、それが理由かというと、そこまで影響してる感じはなかった。自分のなかの問題」。プレー中に立て直すことができず、後半でフェアウェイに置けたのはわずか2回だった。

グリーンでは10メートル以上のロングパットがカップをかすめたり、難なく2パットのパーで切り抜けたり…という場面も多かったが、やはりバーディチャンスは少なかった。「自分的にはいい攻め方ができているなというところもあった。でも、その半分につけてくる選手もいた。層の厚さを感じた」。

“神の子”と呼ばれる同組のセルヒオ・ガルシア(スペイン)はパインハーストNo.2において史上6人目となるボギーフリーラウンドで1アンダー。ひとつ後ろの組にはブルックス・ケプカ(米国)がいて、一時は3アンダーまで伸ばして、こちらも安定したプレーを展開していた。

「ガルシアもほぼ完ぺきなショットで、フェアウェイに置いてグリーンに乗せていた。これを18ホール続けるか…という、すごさを感じた」。先週の「BMW日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ」でプレーオフの末2位に入るなど、今年は序盤から好調で、「自信」を持って全米に乗り込んできた。だからこそ、「自分が今年ずっとできていたことができなかった。そこが悔しい」と、世界レベルとの差を痛感させられたことが残念で仕方がない。

自分がいま持つ力をしかと発揮できなかった“不完全燃焼”もある。「結果がどうなるかではなくて、自分が持っていることを発揮することが大事。それをやって、初めて比べられる。きょうできなかったことを修正しながらいいラウンドを目指したい」。カットラインを追いかける2日目を見据えた。(文・笠井あかり)

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