東福岡が王座陥落 大分東明からわずか2トライでまさかの大敗「弱い。完敗です」【全九州高校ラグビー】

試合後のあいさつをする東福岡の選手たち

◆全九州高校ラグビー大会決勝 大分東明45―12東福岡(18日・鹿児島県立サッカーラグビー場)

まさかの王座陥落だった。東福岡が大分東明に大差で敗れ準優勝。過去20年を見れば、コロナ禍で2度の中止を除けば16度の優勝と圧倒的強さを誇ってきた王者が大会8連覇を果たせず敗れた。「弱い。完敗です。どうしようもできなかった」。わずか2トライに押さえ込まれての敗北に藤田雄一郎監督も言葉少なだった。

先制トライを許したが、前半9分に取り返し7―7と追いついた。だがそこから相手に3連続でトライを決められ点差が開いていく。巻き返すはずの後半も開始1分でトライを決められて相手のペース。7―45とされた後半24分に1トライを返すのが精いっぱいの意地だった。

相手の速いディフェンスに押されミスからボールを奪われた。東福岡の持ち味である左右への自在なパスもつながらず、攻め上がることができなかった。「ボールに対しての反応ができなくて、ミスでボールを手放してしまった後の修正力もなかった」と古田学央主将(3年)は振り返るように、ミスで崩れ全く「ヒガシらしさ」が出せなかった。

2年ぶりの花園優勝を目指してスタートしたチームは春の高校選抜大会で初戦敗退するなど険しい道をたどっている。この日のスタメンは15人中9人が下級生という若いチーム。「今日は若い力が活躍してくれた」と藤田監督は敗戦の中にも明るい材料を見いだした。

「夏の菅平合宿で強豪校と対戦する機会もあるので、そこで勝って自信をつけたい」と古田主将。下級生中心のチームだけに冬までの伸びしろは十分にある。(前田泰子)

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