【駆除するために白河市はイベントまで開催】果樹の敵カメムシと街路樹の敵カミキリムシ・福島県

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小さな虫が、いま自然の脅威になっています。

温暖化などを背景に、果物や街路樹などを食い荒らす虫を駆除しようと自治体も対策に乗り出しています。

福島市大笹生にある「まるえ観光果樹園」では、実を真っ赤に染めたサクランボが収穫の最盛期を迎えていました。

■まるえ観光果樹園 本田隆幸さん

「いまが旬のサクランボを食べに来てもらえるといい」

桃や梨、ぶどうにりんご…。これからたくさんの果物ができますが、いま気がかりなことがあります。

■まるえ観光果樹園 本田隆幸さん

「(果樹園にとって)カメムシは嫌な存在で、防除しても結局飛んで行って、また戻ってくるという繰り返しで、果汁を吸われるとそこが育たなくて、結局変形果というのができてしまうので農家にとっては厄介な虫かな」

このところ全国的に大量発生しているカメムシです。

福島県内でも平年と比べて3倍から15倍ほど増えている所があります。

このカメムシ。いや~な匂いを放つだけではなく、果樹の汁を吸うことで果実の変色や落果の原因になります。

こちらの果樹園では、それほど発生量は多くはないといいますが、厄介な存在なだけに警戒を強めています。

■まるえ観光果樹園 本田隆幸さん

「ちょっと心配はしてる。定期的に畑に行くので注意深く見ながら今後やっていきたい」

福島県によりますと、暖冬の影響で、冬を越したカメムシが多かったことが原因とみられ、カメムシを見つけた場合は早急に薬剤を散布するよう農家などに呼びかけています。

一方、こちらは白河市。県南地方では、あの小さな虫が街路樹を食い荒らす「脅威」になっています。特定外来生物に指定されているカミキリムシです。

■白河市鳥獣被害防止対策協議会 阿南風花事務局員

「内部でカミキリの幼虫が食い荒らして夏になったら、こういう穴から出てくる感じになります」

街路樹などがカミキリムシに食われると最悪の場合、木を伐採しなければならず2023年までに113本の木が失われたといいます。

そこで、なんとか被害の広がりをくい止めようと、白河市が打ち出したのは…。

■阿南風花 事務局員

「カミキリの捕獲イベントをやっているので市民の皆さんに協力頂きながら捕獲してもらいたいと思っています」

外来種のカミキリムシを駆除すると、数に応じて福島県産木材を使った景品と交換できるイベントです。

街路樹やさまざまな用途で使われる「木」を守る意識を共有し、外来種のカミキリムシの被害を防ごうと2023年から始めたこの企画。2023年は幅広い年代が参加し502匹が駆除されました。

■阿南風花 事務局員

「イベントを通してこのカミキリに興味が湧いただとか、身近な自然に目を向けることがなかったっていうような感想を頂いたので、とてもよかったかなと思います」

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