“自分事”化が大事「闇バイト」加担リスクをシミュレーションから高校生が学ぶ=静岡

少年の闇バイト参加が問題となる中、静岡市の高校では、闇バイトにどう勧誘されるのかを具体的にイメージする授業がありました。

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<教員>
「実際に身の回りには『これ闇バイトですよ』なんて『闇』とつけて、みなさんのところには来ませんからね。『こんなアルバイトどう?』って言われることがあります」

6月16日、静岡中央高校で通信制の生徒に向け、「闇バイト」について考える授業がありました。授業で使われたのは、静岡大学の塩田真吾准教授が静岡県警と協力して作成した教材です。

静岡県警によりますと2023年、県内では81人が特殊詐欺事件で検挙されていて、このうち10人が少年でした。少年が特殊詐欺の受け子など、闇バイトに加担するのを防ぐためで、教材の特徴は、闇バイトを「自分事」化できることです。

<社会部 山口駿平記者>
「この教材は『誰に誘われるか』など、自分がどんなシチュエーションに陥ったら闇バイトに手を出してしまうかを考えることができます」

生徒たちは、自分がどのような状況だと闇バイトに巻き込まれるリスクがあるのか、確認していました。

<授業を受けた生徒>
「僕はやっぱり好きな人とかから誘われたら心を許しちゃうかなと思いました。相手が誰であろうと疑いを持って、しっかり大丈夫なのか、確認していこうと思います」

<静岡大学教育学部 塩田真吾准教授>
「やっぱり(闇バイトは)自分とは関係ないと思ってしまうのではないかなと思ったんですが、授業でやってみて、感想なんか見てると自分事として捉えている様子が見られたので、よかったなと思いました」

一方、6月14日、静岡市内の高校生が県警のサイバー犯罪対策課を訪れ、サイバー犯罪の特徴などを取材しました。城南静岡高校3年の石川心温さんは、探究学習の授業でサイバー犯罪をテーマに選び、自ら県警に電話をして直接、取材に来ました。

<静岡県警担当者>
「加害者になるパターンとして、闇バイトがあります。闇バイトって分かる?よく聞くよね。こんな投稿がSNSにはたくさんあります」

県警の担当者から、高校生が巻き込まれるおそれがある詐欺サイトや闇バイトなどを見抜くポイントなどを学びました。

<城南静岡高校3年 石川心温さん>
「引っかからないため、加害者にならないため、巻き込まれないように呼び掛け、そういう犯罪をしようと思うことを減らすのが大事だと思った」

取材した内容は、9月に開かれる文化祭で発表するということです。

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