「働きながら競技継続を」 長崎県スポーツ協会、Uターン就職支援強化 21日オンラインセミナー開催

21日に開かれるオンライン就職セミナーのチラシ

 長崎県スポーツ協会は本年度、Uターン就職を希望する大学生、社会人アスリートの支援を強化する。すでに専門部署を立ち上げており、選手と地場企業のマッチングを本格化。地元で働きながら競技を続けられる環境を整えて、社会人スポーツの強化を図る。
 長崎は小中高の全国大会で活躍する選手やチームを安定的に輩出している一方、社会人スポーツは三菱重工マラソン部などの一部を除いて苦戦が続いている。高校時代に活躍した選手の大半が県外の大学に進学。「大学卒業後は地元で競技を続けたい」という声は根強いが、受け入れ先がなく、有力選手が流出している。こうした流れを食い止めるために、地元で育てた選手の「出口戦略」に本腰を入れる。
 具体的には、協会内に4月に設置した「長崎アスリートサポートセンター」を相談窓口として、就職を希望する選手、雇用したい企業の双方に登録してもらう。登録者は互いの詳細情報を閲覧でき、気になる企業や選手が見つかればアプローチするという流れだ。
 現在の登録者数は、大学3、4年生を中心に日本一経験者や団体競技で全国大会に出場した選手ら数十人。企業側は三基(長崎市)、森谷商会(同)、大光食品(島原市)などの地元企業をはじめ、三恵(諫早市)やハスポ(佐世保市)などのスポーツ関連会社も名を連ねる。
 企業側の採用条件は「実業団選手」としての支援やスポンサー契約を目的にしておらず、あくまでも一般職採用が前提。現役選手に限らず、指導者や大会運営を続けたい人材も求めている。いずれも各競技で培った熱意や人間性に期待して興味を示している。
 長崎県スポーツ協会は「アスリート雇用と言えば敷居が高いように聞こえる企業もあると思うが、基本的には他の社員と同様に働いてもらい、勤務後や休日の競技活動を応援してもらえればうれしい」と説明している。
 21日には大学生や社会人向けのオンライン就職セミナーを予定。詳細は、長崎県スポーツ協会ホームページの最下部にある「長崎県アスリート就職支援事業」の専用バナーから確認できる。

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