「イングランドのファンは心配しないで」ドイツ代表OBがムシアラの若き日を回想「私も彼を見逃していた」【EURO】

元ドイツ代表のトーマス・ヒツルスペルガー氏が、“後輩”ジャマル・ムシアラのポテンシャルを絶賛した。英公共放送『BBC』が「イングランドのファンは心配しないで。私もムシアラを見逃した」と題した記事で伝えている。

同メディアの評論家として活躍する42歳は、自国で開催されているEUROの開幕戦で、母国がスコットランドを5-1で粉砕した一戦を「すべてがうまくいった。最高のパフォーマンスだった」と振り返る。

この試合でムシアラは1得点。ヒツルスペルガー氏は、フローリアン・ヴィルツの名前も挙げて「傑出した2人だった」と称えつつ、ドイツの10番を背負う21歳のかつての姿を回想する。

「ロンドンで育ち、チェルシーのアカデミーに所属し、ユースレベルでイングランド代表としてプレーしたムシアラを見逃したという話が、イングランド国内で盛んに行なわれていることは知っているが、私も彼を見逃していたことを認めざるを得ない」

当時はシュツットガルトのアカデミーの責任者を務めていたヒツルスペルガー氏は、若き日のムシアラを視察。「何か特別なものを持っていると感じた」というが、獲得には至らなかったという。

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その後にムシアラはバイエルンに活躍の場を求め、周囲の期待通りのプレーヤーに。「チャンピオンズリーグを観ていたら、そこにムシアラがいた。チェルシーのアカデミーで観ていた選手と同じだと思い、彼がここまで成長したとは信じられなかった」と驚いたヒツルスペルガー氏は、「今では、彼の試合を見るたびに純粋に楽しんでいる」と明かす。

「彼の体格を見ると、驚異的なスピードや信じられないほどの強さを持つ選手として目立つわけではないが、ボールを持っている時は、他の誰にもできないようなことをする。

彼の際立った資質は、テクニックとゲームに対する理解力、そして激しいタックルに対処し、相手選手に挑み、狭いエリアで解決策を見つける勇気だ。私は長年、そのようなドイツ人選手を見たことがなかった」

無限のポテンシャルを秘めるムシアラが、7大会ぶりのEURO制覇を目ざすドイツを力強く牽引している。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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