復旧支援を受け ようやく田植え コメ農家の第一歩

1月に発生した能登半島地震では、産業の基盤になっている農業へも大きな被害が及んでいます。石川県輪島市のコメ生産者は、自力で復旧させた田んぼでコメ作りを始めました。

輪島市門前町でコメづくりをしている農事組合法人の竹内毅さん。竹内さんの田んぼは、液状化の被害により地面が傾くなどしたため排水ができない状態になり、農機具を保管する倉庫が倒壊しました。中にあったコンバインや田植え機などが押し潰され、一時はことしのコメづくりをあきらめかけていました。

農事組合法人モロオカエーシー・竹内毅さん「最初は重機でも入れないと直せないと思っていたが、技術スタッフや機械を提供してもらって自己復旧で田植えできた。正直ことしも田植えができたという安心感と、来年は全農地植えたいので、それに向けた準備をしていかないと」

知り合いから岡山県の農機メーカーを紹介された竹内さんは、支援スタッフや機械の提供を受け、液状化した20アールの田んぼ3枚をわずか2日で復旧することができました。

竹内毅さん 「自分たちだけでは厳しいと思っていた。2日で田植えできる状態にできた。できるんだって自信になった。」

12日、例年よりも3週間ほど遅れて田植えにこぎつけました。

しかし、ことし田植えができたのは、全体の5分の1に過ぎない5ヘクタールほどでした。それでも、さまざまな支援を受けながら作付けできたことで、感謝の気持ちとともにこの復旧方法を多くの農家に知ってもらいたいと話します。

竹内毅さん「(こうした支援が)色んな方に広まって、農業を続けようか迷っている人が続けるきっかけになれば」

一方で、元の姿を取り戻すにはほど遠い状況が続いています。

竹内毅さん「田んぼに必要なのは水。田んぼに水が入るように。来年に向けて側溝など水が流れる所の復旧をしてもらいたい」

行政の支援がいまだ十分に届かない中で、奥能登の1次産業を絶やすまいと、懸命に取り組む生産者たち。

発災から半年近くが経とうとする中、新たな課題と日々向き合っています。

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