「僕らは一丸になってやり遂げたんだ」セルティックス加入1年目で頂点に立ったホリデーがプレーオフを総括<DUNKSHOOT>

6月17日(日本時間18日)にホームのTDガーデンで行なわれたNBAファイナル第5戦、ボストン・セルティックスはダラス・マーベリックスに一度もリードを許さず、最大26点差をつけて106-88で完勝した。

今年のプレーオフ、セルティックスは16勝3敗(勝率84.2%)と圧倒的な強さでNBA史上最多の18回目の優勝を達成。現フォーマットでは、2016-17シーズンにゴールデンステイト・ウォリアーズが残した16勝1敗(勝率94.1%)に次ぐ好成績だった。

今季セルティックスに加入し、ミルウォーキー・バックス時代の2021年以来2度目のリーグ制覇となったガードのドリュー・ホリデーはポストシーズンをこう振り返った。

「強烈だったね。みんなが僕たちへ期待していたこと、自分たちにできるのかどうか疑っていたことをやり切った。だからこのチームと組織に感謝している。僕らは一丸になってやり遂げたんだ」

ジェイレン・ブラウン、ジェイソン・テイタム、デリック・ホワイト、アル・ホーフォード、クリスタプス・ポルジンギスと豪華な顔ぶれがロスターに並ぶなか、ホリデーはファイナルで平均14.4点、7.4リバウンド、3.8アシストにフィールドゴール成功率53.6%、3ポイント成功率42.1%、フリースロー成功率100%を記録。

評価の高いディフェンスでも相手の得点源であるカイリー・アービングを苦しめ、スティールやブロック、絶妙なポジショニングで相手のチャンスの芽を摘むなど、多方面に渡ってセルティックスの勝利を助けた。
「試合を観ている人たちには、僕らが楽しんでいること、一緒にプレーすることが大好きなんだと映っているといいね。このチームは一枚岩になって優勝を成し遂げた。それが何よりも重要なことなんだ」(ホリデー)

ホリデーはジョー・マズーラHC(ヘッドコーチ)への感謝も忘れなかった。

「彼は間違いなく僕のゲームを引き上げてくれた。これまでのチームで僕は点を取るか、ハンドラーを務めなければならなかった。けどここで(の役割)は常に試合へ出場すること、コーナースリーを決め切ること、リバウンドを奪うことだった。チームにはタレントが揃っていたから、そういったことがチームを助けることになったのさ」

3ポイントを多用するセルティックスは、センターを含めた全選手が3ポイントラインの外に出てオフェンスをスタートさせるケースが多々ある。ただこの場合、全員がゴールから遠ざかるため、リバウンドで相手に主導権を握られるリスクもあった。

しかし第5戦ではホリデーとホワイトがオフェンシブ・リバウンドを4本ずつ奪ってポゼッションを増やすなど見事な繋ぎ役もこなした。特にホリデーは15得点、4アシストにチームトップの11リバウンドと球際の強さが光った。

テイタムとブラウンの成長、ホワイトの献身性、ポルジンギスの加入も確かに大きかったが、セルティックスのリーグ制覇は34歳のベテランの存在なくしてあり得なかっただろう。

文●秋山裕之(フリーライター)

© 日本スポーツ企画出版社