戸締まりはしっかり―。19日の北上市議会6月会議一般質問で議場にスズメが侵入した。傍聴席から入ったとみられ、天井や壁を行ったり来たり。昼食休憩時に職員十数人が捕獲を試みる大捕物となった。
「照明がチカチカするので見上げたら鳥がいた」。市議らによると、スズメは午前11時20分過ぎに現れた。会期中は議場東側のらせん階段が開放され、侵入経路とみられる。
一般質問を続行した上、昼休みに庁舎内に唯一あった網を手に追いかけるも、小さく素早い。「鳥目というくらいだから…」と照明を落として誘導。上着やごみ袋、ヘルメット、のぼり旗など役立ちそうなものは何でも使った。
「ピイピイ」と鳴き、最終的に疲れて床に降り立った午後0時42分、資産経営課管財係長の城内大作さん(46)が捕獲に成功。外に放し、「こんなことは二度とないと思う」と汗を拭った。
傍聴規則によると、酒気帯びや異様な服装の人は傍聴できないが、鳥獣に関する記述はない。3月の改選後、初の一般質問初日。市立大設置構想など舌鋒(ぜっぽう)鋭く議論が交わされる中、とんだ「傍チョウ者」に、しばし場も和んだ様子。