JR上熊本駅前屋根落下めぐり熊本市提訴方針 「勝つ見込みない」

熊本市議会・都市整備委員会はもう1つの問題でも紛糾し結果、委員会は中断。20日、仕切り直すことになりました。

それはJR上熊本駅前の屋根落下をめぐり市が業者を提訴する方針で今開かれている議会に議案として提出している問題です。

議会側からは「市が勝つ見込みはない」という声も上がりました。

去年7月、JR上熊本駅前の屋根の一部が落下した事故をめぐり、熊本市は「設計通りの施工ではない」として工事を請け負った2つの業者に対し総額約1億5000万円の損害賠償を請求する訴えを起こす方針です。

これについては17日、業者側が会見を開き「熊本地震発生直後から市に再三、追加工事を申し入れたが、市は一切対応しなかった」などと反論しています。

19日の議会・委員会で落水 清弘 委員は、熊本市と2つの業者の間で2019年7月に交わしたという『確認書』を示しました。

【熊本市議会 都市整備委員会 落水 清弘 委員】
「相手と相談した足跡が見える。(関連文書には)パネル内などに雨水滞留の可能性があり雨漏りがある。水がたまっているという認識を市役所は持っていた。市執行部は落下の可能性を想定できたことは誰が考えても分かる。裁判官が聞いたら令和元年(=2019年)時点で落下の可能性を行政は認知していたとこの文書で思われる。これで裁判に勝つ見込みは0%だ。なぜこういうきちんとした情報をもっと早い段階で出さないのか。このまま突き進むか?」

委員会は中断し、20日再開されることになりました。

【委員会後 秋山 義典 都市建設局長】
「委員からの指摘を踏まえ、改めて考えを整理して明日また説明したい」

市が業者を提訴するには議決が必要です。

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