猪苗代の水産試験場でコイヘルペス 1匹陽性、仔魚60万匹死ぬ

 県は19日、猪苗代町の県内水面水産試験場で飼育中のマゴイ1匹からコイヘルペスウイルスの陽性反応が出たと発表した。飼育中の親魚111匹とふ化したばかりの仔魚(しぎょ)推定60万匹が死んでいたことから、検査した。県は水産研究・教育機構増養殖研究所(三重県)に検体を送り、確定診断を依頼する。結果は25日までに判明する見込み。同試験場でコイヘルペスウイルスの陽性反応が確認されるのは初めて。

 県によると、14~18日にかけて、同じ池で飼育していたマゴイの親魚と、採卵してふ化させた仔魚が死んでいた。生き残った4匹を1次検査した結果、1匹の陽性が確認されたという。県は4匹を含めた親魚115匹と仔魚約60万匹の焼却処分を進めているほか、飼育池を消毒する。

 県によると、ウイルスを持っているコイを新たに飼育した場合などに感染する恐れがあるが、試験場では5年以上ほかの場所から移入しておらず、現時点で原因は不明。試験場の親魚は採卵用で、仔魚は例年、試験用のほか県内の養殖業者に販売されているという。

 コイヘルペスウイルスは、感染したコイから水を介した接触でほかのコイに感染する。コイ以外の魚や人に感染はしない。

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