「涼み処」で熱中症予防 福島で啓発イベント、応急処置など学ぶ

対策のポイントなどを呼びかける登壇者

 県は19日、熱中症対策の啓発イベント「暑さに負けない! ふくしま熱中症対策」を福島市のコラッセふくしまで初開催した。熱中症対策を模索する企業の関係者ら約120人が参加し、今年の傾向や応急処置のポイントなどを学んだ。

 気象や救命などに詳しい4人が登壇し、内堀雅雄知事と熱中症について話し合った。気象予報士の斎藤恭紀さんは「梅雨入り後は蒸し暑くなり、熱中症リスクが高まる。(南米ペルー沖の海面水温が低くなる)ラニーニャ現象により、今年は長い夏になるのではないか」と見立てを示した。

 救急救命士の三浦春奈さんは、熱中症は家の中で多く発生すると説明。「ストレス過多や寝不足、二日酔いの時は熱中症になりやすい」とした上で、応急処置として「首と脇の下、脚の付け根などの血管を冷やすと効果的だ」と語った。

 県は今月1日、独自の避暑施設「ふくしま涼み処(どころ)」を全59市町村の公共施設と商業施設計1246カ所で開所した。内堀知事は「少しでも体調が悪いと感じたらぜひ利用してほしい」と呼びかけた。大塚製薬の松沢玲子さんとファミリーマートの水野康之さんも登壇した。県によると、今年は16日までに140人が熱中症の疑いで救急搬送された。通年で過去最多だった昨年より10人多く推移している。

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