佐世保空襲の実相を後世に 市役所でパネル展 6月28日まで

佐世保空襲後の市街地の様子を伝えるパネル展=佐世保市役所

 1945年6月の佐世保空襲の惨状を伝えるパネル展が佐世保市役所の高砂駐車場7階連絡通路で開かれている。終戦直後に占領軍が撮影した写真20枚を展示している。28日まで。
 焼け野原となった市中心部、バラックが立ち並ぶ市役所周辺、小学校の焼け跡で授業を受ける子どもたち-。パネル展には同市の出版社「芸文堂」が所有する写真が並び、空襲の実相を伝える。混沌(こんとん)とした状況から復興に向けて市民らが一生懸命だったことも伝わってくる。
 市によると空襲は、45年6月28日深夜から29日未明にかけて発生。米軍の爆撃機B29が焼夷弾を投下し、市中心部は明け方までに焼き尽くされた。家屋は全戸数の35%に当たる約1万2000戸が全焼。死傷者は1500人超に上った。市は例年、空襲の歴史的事実を後世に伝え恒久平和につなげようとパネル展を企画している。
 市は29日午前10時から、平瀬町の市民文化ホールで「佐世保空襲死没者追悼式」を開く。

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