第1原発6号機燃料冷却停止 タービン建屋火災影響か 計器への電力供給設備焼損

 東京電力福島第1原発6号機で電源トラブルが発生し、使用済み核燃料の冷却が約10時間にわたり停止した問題で、東電は19日、タービン建屋で火災が発生し、使用済み核燃料プールの水位などを測る計器に電気を供給する設備が焼損していたと発表した。東電は、火災の影響で冷却が止まった可能性があるとみている。

 東電は19日に6号機タービン建屋地下1階を調査し、床面から約7メートルの高さにある電気の供給設備を覆う箱の表面に黒いすすを見つけた。中の板状の導体は焼け焦げ、破断していた。

 東電によると、この影響で使用済み核燃料プールに関する水位計などの計器類が停止し、冷却水を送るポンプが自動停止した。計器類は非常用ディーゼル発電機により復旧した。自動停止したポンプは、再起動させて稼働を再開させた。

 双葉署浪江分庁舎や東電が火災の原因を調査している。

 原子力規制委員会の山中伸介委員長は19日の定例記者会見で、プール内の燃料が十分に冷却されていた点などに触れ、「安全上、重要な事案であるとは理解していない」との見解を示した。

 今回の事案を受けた点検の必要性を問われ、「原因の調査結果を踏まえて判断していく」と述べた。現時点では東電に対して特別な対応を求める考えがないことも明らかにした。

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