GK平尾知佳がチームにいる安心感は絶大。東京五輪の悔しさをバネに、大舞台で最大限のパフォーマンス発揮へ【パリ五輪の選ばれし18人】

パリ五輪に挑むなでしこジャパンのメンバーがついに発表された。ここでは12年ぶりのメダル獲得を目ざす日本女子代表の選ばれし18人を紹介。今回はGK平尾知佳だ。

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前回大会でバックアップメンバーだった悔しさから3年、アルビレックス新潟レディースのGK平尾知佳は18人のメンバー入りを果たした。

最終的に東京大会は、22人の登録選手から18人のメンバーを試合ごとに選出する形式となったものの、平尾はベンチ入りの機会なく自国開催の東京五輪を終えていた。

平尾はJFAアカデミー福島から2014年に浦和レッズレディースへ特別指定選手として加入すると、いきなりレギュラーの座を獲得。翌年には浦和に正式加入したが、松本真未子(現・マイナビ仙台レディース)や池田咲紀子との激しいポジション争いに身を置いた。

自身も2016年にU-20日本代表の正GKとして、女子W杯で世界3位に入るチームを支えたが、浦和では池田にレギュラーを奪われ、出場機会が伸びず2018年に新潟へ移籍した。

振り返ってみれば当時のGKは3人とも、なでしこジャパンや世代別代表の常連であり、今はWEリーグの各クラブで正守護神としてプレーするハイレベルな選手の集まりだった。

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新潟で安定した出場機会を得た平尾は、リーグでも屈指のGKであることを自ら証明していく。特に至近距離のシュートストップ能力は群を抜き、1対1やセットプレーのこぼれ球など、失点を覚悟するような場面で身体にボールを当てる。170センチを超える身長があり、空中戦でも安定感がある。

また、今回のパリ五輪代表チームへの選出にあたって、新潟を通じてコメントを発表。平尾は「自分の与えられた役割としてはチームでも日本代表でも、バランスを取る役目だと思っています」として、「10代の選手はなかなか世界大会となると、自分のパフォーマンスを出せるかよく分からない状態になったり、ナイーブになったりしてしまうと思うので、キャプテンを中心にうまくサポートしながら、大舞台で最大限のパフォーマンスを発揮できるよう頑張りたいと思います」と意気込んだ。

出場は8試合のみだが、2018年の代表デビューからコンスタントになでしこジャパンに呼ばれ続けてきた平尾の経験と存在は、チームにとって助けになるだろう。

そして、「悔しい思いを力に変えるため3年間、日々トレーニングを重ねてきました。チームを救えるゴールキーパーになるため、今大会では試合に出場し、チームに貢献できるように自分の与えられた役割をしっかりと果たしてきます」とも宣言している。

これまでのチームの流れを重視するなら正GKは山下杏也加が濃厚だが、大会までにはまだアピールの時間もある。そして、何かあっても平尾がいる安心感がチームにはある。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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