北海道からスズランの便り【昭和35年・1960】~RKKニュースミュージアム~

昭和35年(1960)6月、熊本空港に札幌からスズランの花束が到着した映像です。

北海道の初夏をイメージさせる純白のスズランはその可憐な姿や香りがとても人気です。全日空は日本赤十字社の協力のもと昭和31年(1956)からスズランの花束を全国の患者さんに届ける社会貢献活動を続けています。*当時ニュースはこう伝えています。

「北海道の初夏の香りを乗せてスズラン200束が3日、全日空定期便で熊本に届きました。これは全日空が全国にある日赤病院の患者さんを慰めようと昭和31年から始めたもので、熊本は今度が初めて。

北の札幌から7時間40分かけて空輸され、定刻の午後2時50分熊本空港に到着しました。客室乗務員の吉田明子さんが、日赤熊本病院看護師長の増住フミオさんに北海道の朝露を含んだスズランの花束を手渡しました。

このあと早速、熊本市水道町の熊本赤十字病院へ運ばれ、待ち兼ねた患者さん120人に配られました。

初めて見るスズラン...その香りにもうっとり。北海道の爽やかな香りが病室いっぱいに漂っていました。」

スズランはおもに本州中部以北や北海道の高地に自生していますが、昭和49年(1974)熊本県でも自生が確認されました(阿蘇市波野)。九州でのスズランの自生は大変珍しく、波野高原は"日本最南限のスズラン自生地”として知られています。

* ANAグループは、現在もスズランの花束を患者さんに届ける社会貢献活動を続けており、今年(2024年)で69回となります。

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