東京ドームシティ/エンタメ重視のフードホール6/24オープン、夜11時まで営業

東京ドームは6月24日、東京ドームシティ内にエンタメフードホール「FOOD STADIUM TOKYO」(東京都文京区)をオープンする。20日、メディア向けの内覧会を開催した。

<店舗外観>

JR総武線「水道橋駅」からアクセスしやすい、東京ドームに向かうメイン動線の玄関口「黄色いビル」2階に位置する。旧テナント区画をひとつなぎにした。コンセプトは「エンタメフードホール」。あらゆるエンタメ好きの顧客をターゲットに、イベント前の期待感と、イベント後の余韻を共有し合う場とした。好きな人と、好きな時に来て、好きなドリンクを好きなだけ飲み、好きなタイミングで帰ることができる場所を目指す。

約1470m2の施設内に計480席用意。11店舗を誘致し、全店舗でアルコールメニューを取り扱う。ノンアルコール品やデザートも導入し、酒を飲まない人でも楽しめる。店内各所に大小のモニター33台を配し、ホール最奥には6m幅の大型LEDビジョン1台を設置。プロ野球の巨人戦を中心に放映し、音楽やお笑いなどの映像も流す。エリアごとにコンセプトの異なるテーブル・椅子を設けた。

<田部井部長>

同施設について、田部井一哉 リテールマネジメント部 部長は「コロナ禍を経て、人々の飲酒スタイルが変化している。例えば、昔だと会社の歓送迎会で2時間飲み放題5000円で、お酒を飲める人もそうでない人も料金が決まっているような飲み会が多かったが、最近ではそうした事例が減ってきている。行きたい人と行きたい時に開くような飲み会が増えた。

短い時間で2~3杯飲む人がいれば、酒飲みの友達としゃべるために付き合う人もいる。自分が飲みたい物を飲みたい店で購入し、自分が飲んだ分だけ払う。帰りたい時に帰る。がっつり食べたい人や締めのスイーツ需要にも応える。これらのニーズ全てが叶う業態は何だろうと考えた結果がフードホールだった。全店舗でお酒を楽しめるフードホールは珍しいと思う。

どこの飲食店でも、夜遅くまでお酒を飲む文化が弱まったままだ。そこで何とか皆で遅い時間まで頑張ってもらい、夜11時まで営業する。遅い時間でもふらっと寄って、一杯でもお酒を楽しんで頂けるような施設でありたい。東京ドームでは野球やコンサートなど夜までイベントを行う。ホテル泊のお客様もいるため、都心に出なくても、ここでナイトライフを楽しめるようにしたい」と語った。

<Don Chava>

飲食店舗のうち、メキシコ現地で大人気のメキシカン料理店「Don Chava(ドンチャバ)」では、タコスのほかにもクラフトビール、テキーラ、ウイスキー、カクテルなどの豊富な酒類とスイーツが楽しめる。焼き立てのトルティーヤの上に、秘伝のタレに付け込んだ豚肉を使用した「パストール」とサルサを乗せ、ライム、ワカモレ、好きなソースをかけて食べるスタイル。トルティーヤは店内製造で、メキシコからコーンを焼く機材を導入した。

<BROOKLYN STAND>

カフェバー「BROOKLYN STAND(ブルックリンスタンド)」は、ワッフル生地のブルックリンバーガーにクラフトビール、サングリアを楽しめる新業態。店内で毎日焼き上げる「フィナンシェ」(単品税込352円)とジェラートのパフェ(各968円)は、挽きたてコーヒーと一緒にカウンターで楽しむことができる。締めのスイーツにも適しており、中でも「アイスクリームスモア ブラッドオレンジ」は写真映えする1品だ。

<競馬ファン向けに軽食も充実>

同ビル内にはJRAの馬券販売所「ウインズ後楽円」があるため、競馬ファンの需要も見込む。店舗のうち、居酒屋メニューを楽しめる「ニュー大金星」と本格イタリアン「Adestra Salvatore(ア デストラ サルヴァトーレ)」では、ウインズの位置するコンコース側にも販売窓口を設けており、中央競馬が開催される祝日には競馬ファンに向けて軽食のテークアウト販売も行う。

<ニュー大金星/Adestra Salvatore>

「ニュー大金星」では、焼きそば・唐揚げなどを販売。「ア デストラ サルヴァトーレ」では、ピザに加えてホットドッグなどの店外限定の軽食メニューを充実させ、1つの店舗で「本格イタリアン」と「軽食」の実質2業態を運営する。

<すしわさび>

本格的なにぎり寿司をカジュアルに楽しめる「水道橋 すしわさび」では、名物「バラちらし」のほか、新鮮な魚介類のつまみも充実。円形のカウンター席から、魚介の鉄板焼によるライブ感も楽しめるという。

田部井部長は「島の区画は背中がないためスタッフは大変だと思うが、上手く工夫して店舗を作って頂いた。目立つ場所であるため上手くいってほしい。メニューが特徴的で、インパクトのある海鮮丼を置いている。外国のお客様にも喜んでもらえると思う。カウンターで楽しむスタイルなので、インバウンドの方にもカジュアルに楽しんでほしい」と話す。

<コンセント付き席>

コンセント付きでコワーキング的な使い方もできるカウンター席も用意した。田部井部長は「日本だと仕事をしながらお酒を飲む文化は根付いていないが、コワーキング化が進む中で、カフェで仕事をしている人は多い。個人の判断にはなるが、1人でもノートパソコンを開いてビールを飲んだり、ワイン飲んだりするシーンを作りたいと思った」と語る。

<店舗内装>

店内には、1人でも退屈にならないようにモニターを大量に配置した。夜になると照明を落として、ムーディーな空間を演出する。表情を変えながら、顧客が楽しめる努力を続けていくという。

今後の展望について田部井部長は「東京ドームシティ内の飲食店・食品系店舗を合わせると、フードを扱う店は100店舗ある。今すぐ導入するわけではないが、今後は皆で一緒にキャンペーンやコラボを行っていきたい。今は店舗のカウンターで注文して会計する形式だが、モバイルオーダーも検討した。オープン時にはスムーズに稼働しないと思って一度見送っている。時期は未定だが早い段階で導入したい」と述べた。

<フロアマップ>

<黄色いビル外観>

■FOODSTADIUM TOKYO
開業日:2024年6月24日
所在地:東京都文京区後楽1-3 東京ドームシティ黄色いビル2階
営業時間:11時~23時(L.O.は店舗ごとに異なる)
床面積:約1470m2(約446坪)
店舗/席数:11店舗/約480席
モニター数:6m幅のLEDビジョン1台、大小のモニター33台
設計・施行:埼和興産・乃村工藝社
公式サイト:https://www.tokyo-dome.co.jp/foodstadium/
テークアウト可能店舗:クラフトビアマーケット/ベトナム屋台バインセオサイゴン/新御茶ノ水 萬龍/ニュー大金星/A destra Salvatore/Don Chava/ラーメン&バル 麺屋一燈/台湾点心とビール恒久飯店/水道橋 すしわさび

取材・執筆 古川勝平

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