里山の景色を彩る黄色い花 オオマツヨイグサが見ごろ かれんな姿に魅了/岡山・奈義町 

岡山県勝田郡奈義町滝本の植月志朗さん(83)方の田んぼ周辺でオオマツヨイグサが見ごろを迎えている。あぜ道に根差した黄色い花の群れが里山の景色を彩り、地域住民らの目を楽しませている。

明治初期に日本に来たとされる北アメリカ原産のアカバナ科マツヨイグサ属の園芸品種。花の大きさは6〜8センチで、夕方に開き始め、翌朝にはしぼむことから俗称として月見草または、宵待草(よいまちぐさ)とも呼ばれる。白や淡いピンク色をした同属の月見草とは別で、文豪・太宰治の作品「富獄百景」の一文「富士には月見草がよく似合う」と記されているのは、オオマツヨイグサと見られている。

その色合いとかれんな姿は多くの人を魅了し、県出身の画家・詩人の竹久夢二も作品で取り上げるほど。植月さんは以前、邪魔にならないようにと刈り取っていたが、しだいに残していきたいと思うようになったという。

「緑豊かな自然の中でとても映える色で、見ていて心が癒される。増えると朝方の景色が華やかになる。大切にしたい」と話していた。同所では、約2週間しか咲かないことが多く、見ごろは週末までと予想。午前9時ごろまでは花開いた状態を見ることができるという。

山里を彩る鮮やかな黄色い花

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