観光の街のにぎわい取り戻せるか 現職×元副知事×元市議の三つ巴の戦い 6月23日投開票の静岡・下田市長選

市街地の活性化や防災、人口減少など様々な課題を抱えている下田市。3日後に投票を迎える市長選には現職の松木さん、元副知事の土屋さん、元市議の長友さんが立候補しています。共通項が「元県の職員」という松木さん、土屋さん。唯一の女性候補・長友さんによる三つ巴という選挙戦です。

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<下田市民>
「寂しくなりましたね。人も少なくなったし、商店街がシャッター街になっちゃっているでしょう」
「活気がなくなっていますね。観光はそこそこ海もありますし、いいと思いますけれど企業が少ないんで」

伊豆南部の中心、下田市。街なかには、平日でも観光客の姿が見られます。しかし、ピーク時は3万人を超えていた人口も今では1万9000人台です。

街をもっと元気にするにはどうしたら良いのかー。市長選で3人の候補者が訴えを続けています。

<松木正一郎候補(現職・63)>
「皆がマスクして、そこいら中にアクリル板を立ててマイクを渡す時も、アルコールで拭いて何から何まで怖い怖いという社会になった。その中で下田という観光地をどうやって回すのか」

現職の松木正一郎さんです。コロナ対策と観光を両立させたことなど4年間の実績を強調します。

<松木正一郎候補(現職・63)>
「松木ファンクラブの会長と副会長です。2人しかいないんですけれど」

<下田市議会 中村敦議長>
「この停滞した下田市の象徴とも言えた新庁舎。見事に半分つくり上げてしまいました」

長年の課題だった市役所の移転問題に決着をつけることができました。1期目で出てきた芽に花を咲かせ、もっと元気な街にしたいと意気込みます。

<松木正一郎候補(現職・63)>
「街づくりを着実に進めていく、そのための継続を訴えていきたい」

<土屋優行候補(元副知事・69)>
「おじいさん、おばあさんの健康状態も良くない。子どもたちがどんどん減っている」

元県副知事の土屋優行さんです。選挙戦の初日、生まれ育った須崎で演説し、「下田の元気を取り戻したい」と訴えました。応援には、橋本聖子参院議員が駆け付けました。

<橋本聖子参院議員>
「土屋さんが先頭に立ってくださいまして、静岡は何と有観客でやらせていただいたんです」自転車競技の静岡開催には土屋さんの実行力やスピード感が欠かせなかったと振り返り、市長に適任だとエールを送りました。土屋さんは行政経験を生かし、子育て世代や高齢者の支援などに力を入れると強調します。

<土屋優行候補(元副知事・69)>
Q.選挙戦中盤の感触は?
「分かりません。でも集まっていただいた方には頑張れと言われる。40何年間の行政経験で恩返しを下田にしたい」

<長友くに候補(元下田市議・77)>
「ここを整地して、ここに広域ごみ処理センターを造ろうというわけです。あれと同じかそれ以上に大きいものをここに造れると思いますか」

元下田市議の長友くにさんです。下田市と周辺3つの町が進める広域ごみ処理事業の計画に反対しています。2023年、市議選に初当選したばかりでしたが、市長でなければ計画を止められないと考え今回、立候補しました。反対の理由は近くに中学校やこども園があるためです。

<長友くに候補(元下田市議・77)>
「子どものそばには造らない。それこそが市政の基本となるべき慈愛の心ではないでしょうか」

さらに、にぎわいのある街づくりや女性目線できめ細やかな市政を実現したいと訴えます。

<長友くに候補(元下田市議・77)>
「感触はすごくいいです。気持ち良く町内を回っています。頑張りたいと思います」

下田の街をどう活性化させるのか、市長選の投開票は6月23日です。

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