快挙の1年生、総体へ闘志 剣道男子個人・富山北部の佐藤 「挑戦者、目標は優勝」

全国高校総体に向けて練習に汗を流す佐藤選手=富山北部高

 8月に大分市で開催される全国高校総体の剣道男子個人に、富山北部の佐藤太陽選手(1年)が挑む。県高体連剣道専門部によると、県勢で1年生ながら男子個人戦に出場するのは少なくとも2000年以降では初めての快挙となる。佐藤選手は「目標は優勝。1年生で挑戦者なので、思い切って戦いたい」と闘志を燃やしている。

 佐藤選手はクラブチーム「富山剣仁会」の指導者である父寛さんの影響で年少時に剣道を始め、富山市奥田中3年生だった昨年は全中に出場した。富山北部高で男子強化を図って集まった「1期生」で、県大会では決勝で龍谷富山高の田近謙選手(3年)に敗れたものの、個人2枠の出場権をつかんだ。

 県高体連剣道専門部の大野誠委員長(龍谷富山高)によると、過去の記録は明確には分からないものの、「男子個人で1年生がインターハイに出るのはおそらく初めて」という。

 道場では練習中も笑顔いっぱいで「父親が毎日相談に乗ってくれる。部活では監督の寺島(光紀)先生に教わり、本気で日本一を目指している仲間と切磋琢磨(せっさたくま)できるのが幸せ」と部の明るい雰囲気を醸し出す。

 負けん気が強く、1年生だからこその勝機も見いだしている。「1年生で出てきた自分を警戒した相手が迷っているところに攻め立て、一本を取りたい」と気合十分だ。

 県大会の決勝で敗れた時も「強くなるために負けた」と前向きだった。寺島監督は「全てプラスに考える天才肌。普通の選手が諦めるところを諦めず、何か起こすのではないかと期待があふれる」と話した。

  ●女子は団体14度目出場

 女子は団体で3年ぶり14度目の全国出場を決め、部のモチベーションは高まっている。大将として出場予定の奥村望乃果選手(1年)は「1年生だけれどチームを勝ちに導きたい」と意欲を示し、佐藤選手とともに活躍を誓った。

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