広島・末包「得点圏で、もっともっと強くなりたい」 21日リーグ戦再開、堅首へ“サンタナ打法”で打点量産だ

 打撃練習をする末包(撮影・市尻達拡)

 広島は20日、中日戦(21日・バンテリンドーム)からのリーグ戦再開に向けて、マツダスタジアムで全体練習を行った。末包昇大外野手(28)は交流戦での反省も踏まえて、21日の相手先発・高橋宏の攻略に意欲を燃やした。球宴までは残り26試合で、「得点圏で、もっともっと強くなりたい」と、打点量産でチームの首位固めを支えていく。

 汗ばむほどの陽気に包まれ、明るい表情で汗を流した。パ・リーグとの戦いを終え、いよいよリーグ戦再開。末包はマツダスタジアムでの全体練習に参加し、フリー打撃などで調整を施した。

 交流戦は全18試合に先発出場。4番に座った9試合では計3打点、4番以外では計4打点を挙げた。決して不振に陥ったわけではないが「もっと打点を稼げたら、と思った。あっさり終わった打席が多かった」と振り返る。パ・リーグの力で押してくる投手に対して、配球を考えながら打席に立った結果、「後手に回った時に対応し切れなかった」と課題が残った。

 21日の相手先発は、自身にとって今季初対戦となる高橋宏。チームは4月28日の対戦で、7回無失点の好投を許した。「やっぱり真っすぐが強いし、イメージはパ・リーグのような投手。後手に回らないようにいろいろな策を練って、いいアプローチができたら」と腕をぶす。リーグ戦再開初戦で好投手を打ち砕くことができれば、再び自身も波に乗っていける。

 そして同一リーグとの戦いに向け、チャンスの場面での快音を欲した。「得点圏で、もっともっと強くなりたい」。勝負強さに磨きをかけ、打点を稼いでいく。

 ここまでは秋山、菊池、野間と並びチーム2位タイの15打点。さらなる打点量産には“サンタナ打法”が背中を押す。5月18日・巨人戦ではヤクルト・サンタナのバットの出し方を手本に初回に3ラン。その際「(バットの軌道が)波打っているように見えるが、ラインの出し方がうまい」と同じ右打者として参考になる部分を挙げていた。

 リーグ首位打者のサンタナは現在、打率・314で10本塁打、36打点。今も継続して「打撃練習でもサンタナのバッティングをしている。(映像も)見たりしている」とヒントを吸収中。お手本となる助っ人のような働きぶりで、チームの得点力向上に貢献していく。

 新井監督は4番を固定しない方針で「いろんな意味を考えて。精神的な負担もある。自分も4番を打ってきたから。打線として考えているので固定せず、臨機応変に」と語った。4番固定ではなくても中軸を担う男の打棒は、チームの首位固めには欠かせない。「最低限の場面で、最低限のことができるように」と自らの役割を冷静に捉えた末包。敵地・名古屋から力強い一歩を踏み出す。

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