【6月21日付編集日記】体内時計

 照明やテレビ、スマートフォンなど、今は身の回りに光源が多い。スイッチ一つで夜でも何不自由なく暮らせる。そんな一日中めりはりなく光を浴びる生活には落とし穴もある。光が体内時計を変化させてしまうことだ

 ▼本来、体内時計は体の機能が自然環境のリズムからずれずに働くよう調節する。夜に照明などから光を受け続けると、体内時計は少しずつ遅れて実生活との差が生じ、朝に起きられなくなる。このずれが体にストレスを与え、病気の原因につながりかねない

 ▼体内時計は調節可能だ。朝に太陽光を30分以上浴びると"時計の針"がリセットされるという。同じ太陽であっても青い波長の光が多い朝日が最も適している。室内照明の明るさは屋外の10分の1未満で効果が薄い。ならばまず屋外に出てみるのが第一のようだ(「体内時計のふしぎ」光文社新書)

 ▼医学的にも太陽光が免疫力の維持に欠かせないビタミンDを生成するとされている。古くから日本では、日光浴を健康法に取り入れており、民間療法も理にかなっている

 ▼きょうは夏至。一年で最も昼間が長い。早速、散歩にでも出かけて明るい太陽光を浴び、暑い夏を乗り切るための体力づくりを始めてみては。

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