米軍が沖縄を侵攻する姿が克明に 慰霊の日を前に各地で沖縄戦のパネル展

沖縄戦から79年目の慰霊の日を前に本部町立博物館で沖縄戦で亡くなられた本部町出身者およそ3500人をもとにデータをとった特別企画展が開かれています。

20万人あまりが犠牲になった沖縄戦では、本部町でも八重岳や真部山を中心に激しい戦いが繰り広げられ、野山が戦火に包まれるなか、多くの人が犠牲になりました。

この企画展は、戦争のむごさを改めて知り平和について考えてもらおうと開かれたもので、会場には、アジア・太平洋戦争が行われた1931年から1945年までの15年間で亡くなられた本部町出身者、およそ3500人のひとりひとりをデータ化したパネルや大浦崎収容所の子どもたちのパネル・物資を運ぶ住民のパネルなどが展示されています。この企画展は、7月14日まで本部町立博物館で開かれています。

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また宜野湾市でも、沖縄戦での戦闘状況や住民の様子などを記録した写真を集めた展示会が開かれています。

企画展「沖縄戦の中の宜野湾」は慰霊の日を前に戦争と平和について考えて貰おうと宜野湾市立博物館が毎年この時期に開いているもので、会場には沖縄戦に関する写真パネルなどの資料合わせて246点が展示されています。

市内での戦闘状況を記録した写真では、普天間付近を嘉数に向かって進攻していく米兵や、宇地泊から日本軍の砲座を狙う米軍の姿が捉えられています。

また米軍が上陸後にいち早く設置した野嵩収容所では赤ん坊を背負い子守りをする少女やシーソーで遊ぶ子どもたちなどが撮影されていて、住民が戦禍に翻弄された記録を目の当たりに感じることができます。

博物館によりますと宜野湾では5400人以上が沖縄戦で犠牲になったということで、戦争の理不尽さや残虐性について考えるきっかけにしてほしいと来場を呼び掛けています。

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