小学生の視点で町に提言 福島県楢葉町の子ども議会 乳幼児の育児支援など

町政への提案や質問を投げ掛ける児童

 福島県楢葉町子ども議会は20日、町役場議場で開会した。楢葉小児童が議長や議員を務めながら、町政への提案や質問を町執行部に投げ掛けて意見を交わした。

 6年生16人が臨んだ。森田風翔子ども議長が開会を宣言し、上野桜さんが開会の趣旨を説明した。松本幸英町長が「子どもならではの若い感性、意見を町政に生かす場だ。さらに楢葉を学ぶきっかけにしてもらいたい」と述べ、青木基町議会議長があいさつした。

 一般質問では、児童が町について調べて考えた15の質問や提案、意見を発表した。「同級生にフィリピンから来た友達がいる。町内にも英語が母国語ではない外国人が訪れているので、そうした人の母国語で生活についてのガイド冊子を作成、配布してほしい」「私の家には赤ちゃんがいる。母がけがをした時の育児が大変そうだった。赤ちゃんのお世話をサポートする人のサービスなど乳幼児を育てやすい環境にしてほしい」など児童が生活の中で感じた町の課題や必要な支援策を求める意見が上がった。東日本大震災の継承や防災、観光や特産品などの産業推進、イベント開催などの質問もあった。

 松本町長らが答弁し、対応する町の事業を紹介したほか、提案の実現に向けて取り組む意思を見せた。

 最後は子ども議会宣言を採決し、児童が①地域学習にさらに取り組む②ごみ拾いなどに参加して国連の持続可能な開発目標(SDGs)に貢献する③笑顔あふれる楢葉町に向けてあいさつを心がける―の3点を誓った。

(相双版)

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