「スイミング・プール」地下も 金沢21世紀美術館が22日に全館で再開

能登半島地震で展示室のガラス天井が落下する被害を受けた金沢21世紀美術館。閉鎖されていた有料ゾーンが22日から再開し新たな展覧会も始まります。およそ半年ぶりの全館再開です。

石橋弘崇キャスター「地震で天井のガラスが剥がれ落ち現在はむき出しの状態となっています」

美術館は、元日の地震で展示室の天井のガラス板およそ70枚がひび割れし、はがれ落ちる被害がありました。およそ1か月間休業し、有料の「展覧会ゾーン」は閉鎖が続いていましたが、安全のため800枚のガラス板全てを撤去する作業が完了しました。

美術館を代表する作品「スイミング・プール」は、5月に地上部分のみ営業を再開しましたが、22日からは地下部分も楽しめます。

長谷川祐子館長「この震災に関して、どのようなことが美術館としてできるのかということを長期にわたって示さなければいけないと考えている」

展覧会ゾーンで始まる「Lines(ラインズ)—意識を流れに合わせる」は、イギリスの人類学者ティム・インゴルドの思想から着想を得た展覧会です。全てのものを「線」という視点から考察し、私たちの生活や人間関係をどのように形作っているか、作品を通じて考えるものです。

黒澤浩美チーフ・キュレーター「人間が動いたり雲がたなびいたり。生きとし生けるものがお互いに結びあっている結節点に至るまでの線を探求してみようという考え方です」

人気スポットの全館再開で、観光需要の回復に期待が高まっています。

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