実績十分の林穂之香は中盤に安定感をもたらす貴重な存在。“気の利いたプレー”でチームを下支え【パリ五輪の選ばれし18人】

パリ五輪開幕まで約1か月となった。ここでは12年ぶりのメダル獲得を目ざす日本女子代表の選ばれし18人を紹介。今回はMF林穂之香だ。

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イングランドで力をつけているプレーメーカーが世界の舞台に再び挑む。イングランド・ウィメンズ・スーパーリーグのウェストハム・ユナイテッドに所属する林穂之香は、パリ五輪に出場するなでしこジャパンの最終メンバー18人に選出された。

日本ではセレッソ大阪堺レディースで活躍した林は、キャプテンを務めながらボランチでプレー。名実ともにチームの中心になってリーダーシップを発揮した。世代別代表では2016年と18年のU-20女子ワールドカップに連続出場し、18年大会では、同じくパリ五輪メンバーに選ばれているDF南萌華やMF長野風花らと共に世界の頂点に立った。この時は長野とダブルボランチを組み全試合に出場。初戦のアメリカ戦ではチームを勢いに乗せる決勝ゴールを奪った。

その林は2020年のシーズン終了時に海外移籍を決意。スウェーデンのAIKに赴き、22年夏にイングランドへと渡った。同じタイミングでウェストハム入りした清水梨紗や、1年後に加入した植木理子と共にプレーする林は、レギュラーとしてコンスタントに出場機会を掴み、2シーズン連続でフル稼働のシーズンを送った。

フィジカル的な能力の高い選手が揃うイングランドで遜色なくプレーしている実績は、世界の頂点を目ざすなでしこジャパンでも頼りになるものだ。

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なでしこジャパンにはスウェーデン移籍後に定着。21年の東京五輪ではバックアップメンバーとしての選出だったが、大会レギュレーションの変更もあり2試合に出場した。そして、昨年の女子W杯では準々決勝のスウェーデン戦で1得点。ただ試合には勝てず、大きな悔しさを味わった。

今年に入ってからは、シービリーブズカップのブラジル戦と、ニュージーランドとの2連戦が組まれたスペイン遠征で1試合に出場したのみだが、池田太監督が求めることはすでに熟知している。常に計算できる存在と言えるだろう。

そして、プレースタイルは「気の利いた選手」という表現がぴったりくる。周囲の動きを見ながら良さを引き出し、機を見て前線へ出ていけば質の高いキックを見せる。個性の強い面々を引き立てるようなプレーが際立つ。

スタメンでも途中出場でも、中盤に安定感をもたらす貴重な存在としてチームを下支えするはずだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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