男児からの投石で女児歯4本欠損 宇都宮市教委がいじめ重大事態認定 学校側の対応「不十分」と指摘

 宇都宮市内の小学校で昨年5月、高学年の女児が同じ学校の男児から投石を受けて歯4本を欠損するけがを負い、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症していたことが、21日までに分かった。同市教育委員会は、市いじめ防止基本方針の定義に基づき「重大事態」に認定し、このほど調査報告書を市ホームページで公表した。

 報告書では学校側の対応について、行動に困難を抱える加害男児への支援を組織全体で検討するなどの対応が十分でなかった、などと指摘。事案発生後の被害女児に対しても、心理的負担を減らす適切な支援が不十分だった、とした。

 被害女児は加害男児を含む5人で下校していた時、加害男児の投げた直径約3センチの石が口に当たり、歯を欠損した。その後、被害女児は「加害男児のいる学校は怖い」との理由で登校できない状況が続き、PTSDと診断された。市教委は、女児が心身に重大な被害を負ったことや、女児の保護者からいじめによる被害の申し立てがあったことから、重大事態と判断した。 市教委学校教育課の担当者は「今後、再発防止に向けた取り組みを徹底していく」としている。

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