福田知事が6選出馬表明 今秋予定の栃木県知事選 「命、政治生命懸け戦う」

記者会見で6選出馬を表明する福田知事=21日午後7時55分、宇都宮市駒生1丁目

 福田富一(ふくだとみかず)知事(71)は21日、12月8日の任期満了に伴う栃木県知事選に6選を目指して立候補すると正式表明した。宇都宮市内で開かれた自身の後援会総連合会で「命、政治生命を懸けて、初心に返って戦いを進める」などと言及。その後の記者会見で、周囲の声を受けて出馬を決断した経緯などを説明した。知事選への出馬表明は福田氏が初めて。

 福田氏は無所属で立候補し、自民、公明両党の推薦を受ける予定。21日夜に開いた記者会見で福田氏は「『総合力を発揮し県政を安定的に発展させてほしい』という期待の声に応えたいという思いを強くした」と出馬理由を明らかにした。

 多選に関しては「(周りの)忖度(そんたく)はあるかもしれない」としながらも「私自身が気を引き締める」と説明。「今の時代には経験や人脈も必要」とも語った。

 5期20年の実績として足利銀行の一時国有化や東日本大震災などへの対応力を強調。新型コロナウイルス禍への対応やいちご一会とちぎ国体・とちぎ大会の開催、先進7カ国(G7)男女共同参画・女性活躍担当相会合の誘致にも触れた。

 6選に向けては少子高齢化対策や女性活躍、脱炭素に向けたグリーントランスフォーメーション(GX)の推進などを重点課題に挙げ「市町、業界団体、県民の信頼を得てオール栃木で取り組んでいきたい」と語った。具体的な政策集は9月末をめどに示すとした。

 福田氏は2004年11月、宇都宮市長から転じて知事選に立候補して初当選し現在5期目。5回の当選は県政史上最多で、全国の現役知事の中でも最も多く、福田氏を含め5人しかいない。

 今秋にも予定されている

知事選に、現時点で他に具体的な立候補の動きはない。立憲民主党県連と共産党県委員会がそれぞれ8月末をめどとして、独自候補の擁立作業を進めている。

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