阪神2戦連続サヨナラ勝ち 小幡が決めた リーグ再開初戦劇勝発進「勢いに乗っていける」首位・広島と1.5差

 サヨナラ打を放ち、大山(右)に祝福される小幡(撮影・北村雅宏)

 「阪神1-0DeNA」(21日、甲子園球場)

 価値ある白星をつかみ取った。阪神は小幡竜平内野手(23)が0-0の九回2死一、二塁から右前へ運び、2試合連続のサヨナラ勝ち。今季4度目の3連勝で、首位・広島に1.5差に迫った。借金4と苦しんだ交流戦を終えて、リーグ再開初戦&大山の1軍復帰戦で劇的勝利。さあ、ここから再神撃や!!

 きれいな満月がヒーローを照らした。主役は小幡。2年連続、人生2度目のサヨナラ打で試合を決めた。勢いよく水を浴びせられ、四方八方から頭をしばかれる。「たたかれすぎて覚えてないです」。最高の笑顔を咲かせながら、無我夢中で喜びに浸った。

 両軍無得点の九回2死一、二塁。「決めたいなというのは強かったですね」。打つことしか考えていなかった。2球で追い込まれながら、最後は内角の速球を右前へ。遠かった1点。快足を飛ばした植田にも感謝の思いを伝えた。

 ここまで結果が出ていたわけではない。それでも、自主トレからの取り組みは変えなかった。「どれだけ続けられるかだと思いますね。小さいことですけど」。継続は力なり。自分を信じて、投げ出すことはなかった。

 確実性を求め、内野の間を抜くことが最大の狙い。ティー打撃から打球方向にバットのヘッドを残すことを徹底した。白球を点ではなく、線で捉えるイメージ。「強い打球を打ちたい」。この日の一打は理想通り。速球に振り負けなかった。

 木浪に追いつけ、追い越せと指標にしてきた。その先輩が骨折で離脱。実力で奪ったとは言えない。だから、木浪の分までとも言えなかった。「まだそこまでの余裕がない。まずはやれることに徹するのが一番」。自分が結果を出すことがチームのため、そして木浪をカバーすることにもなると考えた。

 20年9月4日の巨人戦(甲子園)。あの時も先発は西勇だった。適時打を放って、本拠地初のお立ち台。ただ、重大な失策も犯していた。試合後の取材でミスの話になると、思わず目を赤らめるほどの悔しさ。あれから4年。この日も三回にエラーがあった。でも、落ち込むどころか堂々としていた。取り返そうという思いは「いや、別で考えてました」と気負わず。体も心も強くなった。

 交流戦を7勝11敗で終え、リーグ戦が再開。今季4度目の3連勝で貯金3となり、首位・広島に1.5ゲーム差と詰め寄った。近畿地方は梅雨入り。猛虎打線も八回まで湿っていたが、今季3度目のサヨナラ勝ちでカラッとした雰囲気に変わったはずだ。「勢いに乗っていけるのかなと思う」と小幡。代役で終わらせない。

 ◆7年ぶり!2戦連続サヨナラ勝利!! 阪神の2試合連続サヨナラ勝利は2017年9月9日・DeNA戦(甲子園)~同10日・DeNA戦(甲子園)以来、7年ぶり。また、両リーグトップとなる今季13度目の完封勝利で、スコア「1-0」勝利も今季12球団最多の6度目。

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