RICOH GR III HDF 実写レビュー! 人気スナップカメラに光がにじむHDFを搭載

By 藤井智弘

ハイライト部分をにじませるフィルターを搭載した「GR III」シリーズが登場。従来のシャープな描写に加え、柔らかな写真表現が楽しめる特別仕様モデル「RICOH GR III HDF」を使ってみた。

さりげないソフト効果で雰囲気のある写真を演出

スナップ派に大人気のリコー「GR III」と「GR IIIx」に、HDF (HighlightDiffusion Filter) を搭載した特別仕様モデルが登場した。外観デザインは通常モデルとまったく同じだが、シャッターボタンがグレイッシュシルバー仕上げなのが特徴だ。初期設定では背面のFnボタンでHDFのオン/オフが切り替えられ、Fnボタンにはほかの機能を割り当てることも可能だ。なお、通常モデルに搭載されているNDフィルターは非搭載となる。

さらにゾーンセレクトAFとホワイトバランスのカスタム機能も追加された。これらは通常モデルにもファームアップで対応予定とのこと。

HDFは極端なソフト効果ではなく、さりげなくハイライトがにじむ。スパイスとして活用すると、HDFならではの味わいを持った表現が楽しめる。

■GR IIIx HDF

ここでは28mm相当の「GR III HDF」を使用したが、40mm相当のレンズを持つ「GR IIIx HDF」もラインアップしている。好きな画角が選べるのが嬉しい。

注目ポイント

レリーズボタンをシルバー色に変更

グレイッシュシルバー仕上げを採用したレリーズボタン。ガンメタリック調で精悍な趣だ。通常モデルとわずかな違いであるが、比べてみると意外と雰囲気が異なるのを感じる。

3×3の測距エリアを任意に移動できる

新たに追加されたゾーンセレクトAFは、オートエリアAF (中央) と同等の3×3の測距エリアを移動できるようにしたモード。構図を決めたあとで、歩く人物を画面に入れたスナップなどに便利だ。

ホワイトバランスを微調整して登録可能

ホワイトバランスのカスタム機能が追加され、好みの色調に追い込めるようになった。カスタムしたホワイトバランスは3つまで登録可能。背面モニターで色調の変化を見ながら、微調整が行なえる。

実写作例

HDFでハイライトを印象的に仕上げる

日没直後の街のスナップ。HDFをオンにすると、街灯や店の明かりが柔らかくにじんだ。HDFオフより光が強調され、印象深い仕上がりになった。しかも中間調からシャドーはにじまないので、自然な雰囲気は残ったままだ。

■HDF ON

リコー GR III HDF 絞り優先オート F2.8 1/10秒 ISO100 WB : 太陽光

■HDF OFF

リコー GR III HDF 絞り優先オート F2.8 1/10秒 ISO100 WB : 太陽光

RICOH GR III HDF

発売日 2024年4月12日
参考価格 133,150円 (税込)

撮像素子 有効約2424万画素 APS-CサイズCMOSセンサー
画像処理エンジン GR ENGINE 6
レンズ 35mm判換算28mm相当 F2.8
ISO感度 ISO 100〜102400
AFシステム 像面位相差検出+コントラスト検出
手ブレ補正 撮像素子シフト方式 (3軸補正)
液晶モニター 3.0型 約103.7万ドット TFTカラー液晶 (タッチパネル)
幅×高さ×奥行き 約109.4×61.9×33.2mm (操作部材、突起部を除く)
質量 約257g (バッテリー、メモリーカードを含む)、約227g (本体のみ)

※参考価格は記事執筆時点の直販価格です。販売はリコーイメージングストア、RICOH GRストア楽天市場店、RICOH GRストアYahoo!店、RICOH GRストアAmazonのみとなります。

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