尾上右近、寺島しのぶ息子・尾上眞秀との連獅子が実現「子獅子は眞秀くんしかいない」

尾上右近【写真:ENCOUNT編集部】

親が歌舞伎役者でない役者同士の連獅子は稀

歌舞伎俳優の尾上右近が22日、都内で行われた尾上右近自主公演 第八回「研の會」記者発表会に出席した。当日は共演する尾上眞秀も登壇し、同公演をアピールしていた。

「研の會」は、六代目菊五郎を曽祖父にもつ若きプリンス・右近が2015年から取り組む自主公演で、今回で8回目となる。同公演では「摂州合邦辻」(せっしゅうがっぽうがつじ)と「連獅子」(れんじし)を上演する。今回「摂州合邦辻」では右近が玉手御前を、「連獅子」では右近が親獅子の精、尾上眞秀が仔獅子の精をそれぞれ初役にて務める。

右近は「回数を重ねて規模拡大はうれしい限りで、30代を迎えて自分がやりたいことをやらせていただき、多くの人に協力していただいて自分のやりたいことをやらせてもらうには責任が伴うことを感じます。僕は責任を楽しく担いたいなと思っています」と切り出し、「皆様に親しみやすい公演を目指しています。毎回思っていますが、今回、一番気合がこもっています。大入り満員にして、役者としても自身をつけて来年につなげていきたいなと思います」と意気込みを語った。

今回、俳優の寺島しのぶを母に持つ眞秀と連獅子で共演する右近だが、「眞秀くんは同じ音羽屋で戦っている大事な存在。自分が親獅子になるときは子獅子は眞秀くんしかいないだろうということで、今回、声を掛けさせていただきました」と話し、「僕は4人の親獅子(市川團十郎、市川猿之助、尾上松也、尾上菊之助)に育てていただいた。いろんな先輩に育てていただいた数限りない恩があります。30代で親獅子はまだ早いと思われるかもしれませんが、自分のキャパをオーバーすることによって、キャパを広げていくというのが一つのテーマです。器の大きさが問われる役柄ですが、あえてこの年代で子獅子で経験したものを親獅子に自分が回って、眞秀くんに伝えられれば」と語った。親が歌舞伎役者でない役者同士の連獅子は数少ないという。

大阪・国立文楽劇場にて8月31日、9月1日。東京・浅草公会堂で9月4日、5日に上演予定。ENCOUNT編集部

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