平泉成、家族からの手紙に感涙 キャリア60年で初主演「ずっと悔しくて」「長い事かかった」

涙をぬぐう平泉成【写真:ENCOUNT編集部】

主演映画『明日を綴る写真館』の大ヒット御礼舞台あいさつ

俳優の平泉成が22日、都内で行われた主演映画『明日を綴る写真館』の大ヒット御礼舞台あいさつに出席。家族からサプライズで手紙が送られ、感涙した。

キャリア60年で初の映画主演を飾った平泉に向け、妻の里香さんから「『大輪の花 咲かずとも 充つる日々』。色紙に成さんがずっと書いて来た言葉です。脇役としてたくさんのお仕事をしながら必死に自分を奮い立たせて来た言葉です。けれど、サインを書く横顔は何処か寂しげで……」「成さんおめでとう! 大輪の花 咲かせたね! 晴れやかな面持ちで明日からどんなサインを綴りましょうか……」と初主演を喜ぶメッセージが。

平泉はハンカチを取り出し「泣かしにきたね……」と目に光る涙を拭い、「これまで“大輪の花”を咲かせられなかった。“大輪の花”を咲かせられなくても、愛されて幸せだと思ってそうサインを書いていたけど、それは“やせ我慢”だった。主演をできない自分が悔しくて、ずっと自分に腹が立っていた。悔しくて、ずっと悔しくて、そんなサインばかりを書いていた」と主役の座をつかめず歯がゆい思いをしたことを吐露。

それでも「家族はずっと支えてくれた。ずっと支えられて感謝しています」といい、「この場に立たせていただくのに60年という月日が経ってしまった。長い事かかった。今回、主役をやらないかと思ってきてもらえた。ありがとうございます」と長い道のりを振り返った。

手紙は平泉の妻・里香さんのほか、長男の陽太さん、長女の季里子さんをはじめ、長男と長女の配偶者、その子供たち(平泉にとって孫)、計8人から送られた。家族からの温かい言葉に、平泉は「泣かせにきたね。本当にうれしいこと。一生懸命我慢していたけど、涙が……」と感無量の表情だった。

横で聞いていたAぇ! groupの佐野晶哉も感動しっぱなし。平泉から「君、今泣いてくれている? (目が)キラキラひかっている」と指摘されると、声を震わせて「もう、しゃべれないです」と涙が流れるのを我慢。最後に「うちのおじいちゃん、かっこいいです」と大先輩の背中を見つめていた。

映画は、あるた梨沙氏による同名漫画が原作。さびれた写真館を営む無口なカメラマン・鮫島(平泉)に弟子入りした、若手カメラマンの太一(佐野)。訪れる客と丁寧にコミュニケーションをとる鮫島の姿に驚きつつ、自分に足りないものに気付き始めていく。そして、鮫島に人生の“想い残し”があることも知り、未来のための一歩を踏み出していくストーリー。ENCOUNT編集部

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