とにかく勝てない西武、交流戦も最下位で悪夢の「シーズン100敗」の現実味

プロ野球は交流戦が6月18日に終了、21日より再びレギュラーシーズンが始まったが、例年、交流戦では大きく順位を上げたり、逆に一気につまずいたりするチームがある。今年、散々な結果に終わったのが西武だ。

序盤から調子は上がらず、交流戦開始直前に松井稼頭央監督が休養して渡辺久信GMが監督代行を務めたが、セ・リーグとの対戦は4勝14敗に終わり、借金はさらに10も増加。現在19勝44敗(交流戦終了時点。以下同)で、勝率は.302しかない。

「今年の西武は攻撃陣があまりに酷い。チーム内の規定打席到達者で最も打率が高いのは、源田壮亮の.229。チーム打率は.202で、この数字は他球団より4分から5分も低く、これでは試合になりません。得点力の低さは目を覆うばかりで、交流戦では18試合で25点しか取れませんでした。まだシーズンは4割ほどしか消化していないのに、すでに首位からは20ゲーム以上離されており、5位とも10ゲーム以上の差があります」(週刊誌スポーツ担当記者)

勝負は時の運。何年かに1度は、1シーズンを通じて負け続けるチームが出てくるが、今年の西武は「100敗」という“禁断の数字”も見える勢いだ。

「長い球史の中で、シーズン100敗を記録したのは1961年の近鉄だけ。同年の近鉄は103敗でしたが、今年の西武は現在100敗ペースです。近年では2017年にヤクルトが96敗、2008年から2010年にかけて横浜が3年連続で90敗以上しましたが、100敗には届かなかった。楽天の初年度(2005年)でも97敗でしたから、100敗は相当に不名誉な記録です。もっとも、残り80試合で25勝すれば100敗は免れる計算ですから、流石に届かないとは思いますが……」(野球ライター)

ただ、状況は予断を許さない。パ・リーグとの戦いは、大苦戦した交流戦以上に厳しいことが予想される。

「実は西武は現在、楽天とオリックスには勝ち越しています。しかし、楽天は交流戦で大躍進し、チーム状態は良好。5月にもたついたオリックスも、交流戦で7連勝するなど、徐々にディフェンディング・チャンピオンの本領を発揮してきました。快調に首位を走るホークスは投打ともに盤石ですし、ロッテはこれまで全敗と大の苦手。新庄監督がラストイヤーの日本ハムも今年は調子が良く、勝ち星を稼げそうなチームが見当たりません。西武の選手にしてみれば、今から優勝はおろかAクラス入りも絶望的で、個人成績で頑張っても今年のチーム成績では年俸は大して上がらない。オフには監督やコーチがごっそり変わるのは確実で、今さら“上”にアピールしても意味はない。西武は巨人や阪神とは違い、負けまくっても厳しい声がなかなか飛ばない。選手のモチベーションは低く、優勝やAクラス入りを狙うチームとは勝負にならないでしょう。西武は毎年のように主力が移籍しながら“自前”で戦ってきましたが、流出を防ぐ努力を怠ったツケが、ついにこういった形で現れたということでしょう」(前出・記者)

西武ファンは「100敗を免れるまで残り◯勝」というボードを持って球場に駆けつけるべきかもしれない。

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